「TOEICスコアには有効期限がある」こんな話を聞いたことがありませんか?TOEIC受験者の中で噂されるTOEIC有効期限2年説ですが、実は全くのウソです。TOEICに有効期限はありません。
本記事では、TOEIC有効期限2年説が広まった原因と、有効期限がないとはいえ、最低でも2年おきにTOEICを受験した方がいい理由について解説します。
3分くらいで読める内容になっているので、TOEIC受験者の方やこれからTOEIC受験を考えている方は、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
TOEICの有効期限が2年間はウソ!
「TOEICの有効期限は2年間」「2年経ったらTOEICスコアは無効なので、再受験しなければならない」と耳にした経験はありませんか?TOEIC有効期限2年説は、至る所で言われており、TOEICを何度も受験している方なら一度は耳にしたことがあるはずです。
TOEICの有効期限が2年間であれば、就活や昇進などに影響が出ます。例えば大学1年生の時に取得したTOEIC700点は、就活では使えません。
実際のところ、TOEICの有効期限が2年間というのはウソです。TOEICに有効期限はありません。5年前に取得したスコアも10年前に取得したスコアも、有効です。
TOEICの有効期限が2年間と言われる理由
ではなぜTOEICの有効期限が2年間という話がここまで広がっているのでしょうか?
TOEIC公式認定証の再発行期限が2年間だから
原因は、TOEIC公式認定証の再発行期限が2年間だからです。TOEIC公式認定証とは、TOEICのスコアが自分のものであることを証明するための書類です。
(引用:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 公式認定証の形式)
この公式認定証は、あなたが本当にTOEICスコアを取得しているかどうかを確認するために、採用時に企業に提出したり、留学時に学校に提出したりしなければなりません。
公式認定証を紛失した場合に、再発行できるのが、公式認定証の発行から2年です。つまり「公式認定証の再発行期限である2年」を「TOEICスコアの有効期限が2年」と勘違いした結果、こういった噂が広まっているのです。
ちなみにTOEICの公式認定証がもらえるのは、TOEIC公開テストだけです。TOEIC IPテストでは、スコアは出ても公式認定証は発行されません。「TOEICはIPテストではなく公式テストを受けるべき」と言われる理由もここにあります。
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ETSも2年ごとの受験を推奨している
TOEICには有効期限はありません。5年前に受けたスコアも10年前に受けたスコアも有効です。しかしTOEICの試験問題を作成しているETS(Educational Testing Service)は、TOEICスコアについて以下のように述べています。
How long are scores valid?
Scores are used to measure a test taker’s English proficiency at the time that a test is administered. Because English-language skills may improve or decline over time, a score report will not be reissued if two years have passed since taking the test. ETS does not require ETS Preferred Network members to retain test administration data beyond two years.
引用:【ETS】Frequently Asked Questions about the TOEIC® Listening and Reading Test
上記の英文を大まかに和訳すると以下の通りです。
TOEICスコアの有効期間はどのくらい?
TOEICスコアは、受験時点での英語力を測定するために使用されます。英語力は時間が経つにつれて向上したり低下したりするので、公式認定証は、受験から2年経つと再発行されません。ETSとしても2年以上にわたってテストデータを保持することを臨みません。
つまりETSも、本来の英語力を測定するために、最低でも2年ごとのTOEIC受験を推奨しています。2年以上前のTOEICスコアに関しては、現在の英語力と相違があるはずです。
企業によっては2年以内のスコア提出を求められる
TOEICに有効期限はありません。しかし就活や転職活動でTOEICスコアを使用する際、企業によっては「2年以内に取得したTOEICスコアしか認めない」との規定があります。
公式認定証にはTOEICスコアを取得した日付が記載されているので、スコア取得日を誤魔化すことはできません。TOEICに有効期限はありませんが、自分の英語力を正確に判断するため、そして就活や転職活動などで確実のTOEICスコアを活かすために、最低でも2年ごとにTOEICスコアを取得すべきです。
【結論】TOEICスコアに有効期限はないが定期的に受験するべき
結論としては、TOEICに有効期限はありませんが、それでも2年ごとにTOEICを受験するのがベストです。2年ごとに受験した方が、自分の正確な英語力も測れますし、就活や留学時のトラブルもありません。
人は忘れる生き物
人は忘れる生き物です。一度学んだことでも、時間が経てば忘れてしまいます。例えば一度覚えたことでも、全く復習をしなければ、1ヶ月後には8割忘れてしまうと言われています。
学生時代、テスト前日に徹夜をして、試験で点数を取った経験はありませんか?試験の時は良い点を取得できても、一夜漬けで覚えたことは、数日後にはほとんど忘れてしまっていたはずです。これには人間の記憶の仕組みが関係しています。
人間の記憶には、短期記憶と長期記憶があります。名前の通り、短期記憶は一定期間で忘れてしまう記憶のことで、長期記憶は半永久的に忘れることのない記憶のことです。英語を習得するためには、覚えた英単語や英文法、発音などを長期記憶として記憶しなければなりません。
そして短期記憶を長期記憶にするために必要なのが反復です。人の脳は、繰り返し学んだものを「忘れてはいけないもの」と認識し、長期記憶にします。一夜漬けの数日後には全て忘れてしまうのも、その後一切復習をしていないからです。テスト前2週間で、何度も繰り返し反復した単元はなかなか忘れません。
TOEICも同じです。繰り返し受験することで忘れることのない本当の英語力が身につきます。
スコアと実力の乖離は避けるべき
5年前にTOEIC800点を取得したからといって、今も同じ英語力があるとは限りません。5年前に取得したTOEICスコアを就活や留学に活用して、スコアとあなたの本当の英語力に乖離があった場合、困るのはあなたです。
現在はそれだけの英語力がないにもかかわらず「TOEIC800点だから」とレベルの高い仕事を任されたり、クラスに配属されたりします。
スコアが高ければ高いほどいいのは当然です。しかし一度取得した高いスコアにこだわるよりも、TOEICを通してあなたの本当の英語力を測るべきです。
TOEICは自分の英語レベルを知れる試験
現在世界にはたくさんの英語資格試験があります。TOEIC以外にも、英検やTOEFLなどたくさんの試験がありますよね。しかしTOEICは、これらの試験の中でも最も正確に自分の英語レベルを把握できる試験です。
まずTOEICは、他の資格試験と比べて、受験者数が多いです。年間で延べ400万人以上の方がTOEICを受験しています。受験者が多い方が、自分の正確な位置が分かります。
またTOEICは英検と異なり、級分けされていません。英検の場合は、試験を受けて分かるのはその級の合否のみです。一方TOEICの場合はスコアが10〜990点の範囲で細かく把握できます。
TOEICに有効期限はないが履歴書に書く際のスコアには要注意
TOEICに有効期限はないので、いつ取得したスコアで履歴書に記載できます。しかし履歴書に記載する際のスコアには注意が必要です。
TOEICは990点満点の試験です。TOEIC400点や500点で履歴書に記載してしまうと、採用試験において逆効果になります。なぜならTOEICの平均点は、毎回580点前後だからです。TOEIC400点や500点で履歴書に記載するということは「私の英語力は平均点以下です」と言っているようなものです。
TOEICを就活や留学などに活用したい場合は、まずは600点以上の取得を目指しましょう。また企業や学校がどのくらいのTOEICスコアがある方を募集しているのか、事前にチェックしておきましょう。
英語をよく使う職種の場合は、TOEIC600点ではなく、730点や860点を条件にしているところもあります。730点や860点と中途半端な数字になっている理由は、600〜990点を3つに分割した際の数字だからです。730・860・990と130点区切りで3分割できますよね。
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まとめ
TOEICの有効期限について解説しました。TOEICに有効期限はありませんが、最低でも2年ごとに受験すべきです。「英語=TOEIC」ではありませんが、英語力を測る指標として、継続的にTOEICを受験しましょう。