国内で英語資格試験を受ける際、まず思い浮かぶのがTOEICと英検です。「TOEICと英検、私にはどっちが向いているの?どっちを受けるべき?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、TOEICを受験すべき人の特徴と英検を受験すべき人の特徴について解説します。両試験は内容が異なるので、両方受験するのではなく、片方に絞って受験すべきです。
記事を最後までチェックすれば、あなたがTOEICと英検、どちらを受験すべきなのかが分かり、迷いなく試験対策を始められますよ。
TOEICと英検はどっちも有名な英語資格
国内で受けられる英語資格試験は、TOEICと英検以外にもたくさんあります。例えばTOEFLやiELTS、Versantなどがあります。英検以外の試験は、日本人のみならず世界中の人が受験している試験です。
数ある英語資格試験の中でも、日本国内ではTOEICと英検が最も有名です。TOEICも英検も、毎年400万人近い方が国内で受験しています。
TOEICと英検の試験概要を簡単にまとめました。
TOEICの概要
TOEICには、公開テスト・IPテスト・BRIDGEテストの3つの種類があります。さらにそれぞれ”Listening & reading Test”と”Speaking & Writing Test”に分かれます。本記事では、TOEICの中でも受験者が圧倒的に多い、TOEIC公開テストの”Listening & Speaking Test”について解説します。TOEICの種類について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してください。
【関連記事】TOEICの種類は3種類!就活&転職ではどれを受けるべきか解説
TOEIC公開テストListening & reading Testは、リスニングとリーディングに関する試験です。全部で7つのパートに分かれており、パート1〜4がリスニング、パート5〜7がリーディングです。問題数はリスニング100問、リーディング100問の合計200問、試験時間はリスニング45分、リーディング75分の合計120分です。
試験は990点満点で、「5級」「4級」のように級分けされておらず、全員が同じ問題を解きます。試験内容は、ビジネス英語に関するものがメインです。試験はマークシート式です。
英検の概要
英検はTOEICと異なり、以下のように級分けされている試験です。
- 5級
- 4級
- 3級
- 準2級
- 2級
- 準1級
- 1級
5級が最も難易度が低く、1級が最も難易度が高いです。3級から1級までは、一次試験の筆記に加えて、二次試験の面接も実施されます。記述式の試験なので、二次試験まで含めると、スピーキング・ライティング・リーディング・リスニングの英語4技能を測定できます。
英検は他の英語資格試験と異なり、国内で作成されている試験です。日本の学校の教育カリキュラムを元に級分けされています。例えば5級は中学1年生の内容、3級は中学3年生の内容のような形です。またビジネス英語よりもアカデミックな内容の問題が出題されます。試験時間や問題数は級によって異なります。
TOEICと英検両方の受験はおすすめしない
TOEICと英検両方の同時受験はおすすめしません。なぜならそれぞれ必要な対策が異なるからです。両方を同時に受験しても、どちらとも中途半端な結果になるだけです。それよりは、どちらかに絞って、確実に満足のいく成果を出すべきです。
TOEICと英検で出題される問題の傾向は異なりますが、どちらを勉強しても英語力が底上げされることに間違いはありません。例えばTOEICを受けた後に英検を受ける場合は、TOEICで学んだ英語もある程度は活きてきます。
まずは自分がTOEICと英検、どちらを受けるべきかを知りましょう。またすでにどちらかを受験したことがあり、もう一方の試験を受験したい場合は、以下のTOEICと英検のスコア対応表を参考に、目標スコアや受験する級を設定しましょう。
英検 | TOEIC |
---|---|
英検5級 | 300点以上 |
英検4級 | 400点以上 |
英検3級 | 500点以上 |
英検準2級 | 600点以上 |
英検2級 | 700点以上 |
英検準1級 | 800点以上 |
英検1級 | 900点以上 |
TOEICと英検どっちを受験すべき?
TOEICを受験すべき人、英検を受験すべき人の特徴を、それぞれまとめました。
TOEICを受験すべき人
以下のいずれかに当てはまる方は、英検ではなくTOEICを受験すべきです。
- 大学生
- 社会人
大学生
大学生は英検ではなく、TOEICを受験すべきです。なぜならTOEICは、就活で役立つ試験だからです。多くの企業はビジネス英語ができる人材を求めています。そしてTOEICはビジネス英語に関する試験です。よってTOEICは就活にぴったりの資格試験です。
多くの企業が就活時にTOEICスコアを求めていたり、TOEICスコアがある就活生を優遇してくれたりします。必要なTOEICスコアは業種によって異なります。TOEICで600点以上を取得していれば、そうでない方と比べて就活が格段に有利になるという話もあります。
【関連記事】TOEICスコアがあれば就活で無双できる5つの理由と必要最低スコアを紹介
また大学によっては、TOEICスコアを取得していれば、英語の授業の単位を取得できる場合があります。空いた時間を使って、TOEIC対策をしたり、別のことをしたりできます。
TOEICは1ヶ月や2ヶ月で高得点を取得できる試験ではありません。就活の直前になって「就活で有利になるために今からTOEICを頑張ろう」では間に合いません。大学生活は4年間ありますが、できるだけ早く、TOEIC対策を始めましょう。
社会人
社会人も英検ではなくTOEICを受験すべきです。なぜなら英検は学問的な内容が出題される試験で、TOEICはビジネス英語に関する内容が出題される試験だからです。仕事に直結するのは当然ビジネス英語ですよね。TOEICでは、ミーティングや広告など、ビジネスと関連性の高い問題が多く出題されます。
また企業によっては、昇進や昇給の条件として、TOEICスコアの取得を義務付けています。ビジネスで上を目指すためにも、TOEICを受験しておくべきです。転職の際も有利になります。ビジネス英語の必要性は今後増加するので、TOEICでビジネス英語を学んでおいて損はありません。
英検を受験すべき人
以下のいずれかに当てはまる方は、TOEICではなく英検を受験すべきです。
- 小学生〜高校生
- スピーキングやライティングの試験も受けたい方
- 英語初心者
小学生〜高校生
小学生から高校生は、TOEICよりも英検を受験すべきです。なぜなら小学生〜高校生にビジネス英語は必要じゃないからです。それよりも学校で習う英語をきちんと身につけられているかが大切です。
英検は日本で作られている試験で、以下のように、学年ごとに級分けされています。
5級:中学1年生レベル
4級:中学2年生レベル
3級:中学3年生レベル
準2級:高校1年生レベル
2級:高校2・3年生レベル
準1級:大学レベル
1級:それ以上
学年の終わりに、どのくらい学校で習った英語が身についているのか確認するために、英検を受験してみるのもいいでしょう。高校入試では、願書に英検の取得級をを記載することで、有利になります。
スピーキングやライティングの試験も受けたい方
英検は記述式の試験です。TOEICのようにマークシート式ではないので、英語を書く力(ライティングスキル)も求められます。また英検3級以上では面接もあるので、スピーキング力も必要です。
TOEICでもSpeaking & Writing Testを受ければ、スピーキング力とライティング力を測定できます。しかしTOEICはSpeaking & Writing TestとListening & reading Testに試験が分かれています。またTOEIC受験者の大半はListening & reading Testを受験しており、Speaking & Writing Testはマイナーで、受けるメリットがあまりありません。
本当の意味で英語が使えるようになるには、リスニングやリーディングのみならず、スピーキングやライティングの学習も必要です。TOEIC Listening & reading Testで高得点を取得していても、英語が話せないと悩んでいる方は多いです。
スピーキングやライティングの対策も同時並行で行いたいのであれば、TOEICではなく英検を受験しましょう。
英語初心者
英語初心者の方は、TOEICよりも英検を受験すべきです。なぜなら英検は級分けされているからです。級分けされているので、自分の英語力にあった級を受験できます。例えば英検5級であれば中学1年生レベルの英語力しか必要ないので、英語初心者でも気軽に受験できます。
一方TOEICでは、全員が同じ試験を受けます。TOEIC400点レベルの方もTOEIC900点レベルの方も同じ試験です。よってTOEIC試験には、簡単な問題から難しい問題まで満遍なく収録されています。TOEIC初心者だと歯が立たないような問題も含まれています。
中学レベルの英語が曖昧な状態でTOEICを受験しても、全く問題を解けず、挫折してしまうかもしれません。それよりは英検を受験し、確実に一歩ずつステップアップしていくべきです。
まとめ
TOEICと英検、どっちを受験すべきかについてまとめました。両方同時に受験するのではなく、どちらかに絞って対策をしましょう。
また英検は級分けされていますが、TOEICは級分けされていません。よって自分で目標スコアを決めて勉強しなければなりません。TOEICを初めて受験するのなら、TOEIC600点を目指しましょう。スコアごとの勉強方法については、以下の記事でもまとめています。
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