小1の壁はいくつもある!壁の種類と親子が乗り越えられるヒントも紹介

小1の壁アイキャッチ

幼稚園や保育園を卒業して、いよいよ春から小学生。わが子の小学校入学はとてもうれしいものです。
しかし、今までとは違う環境の変化についていけるのか、不安になっている親御さんもいるのではないでしょうか。

子どもが小学1年生になるときの、なにかしらの壁を「小1の壁」と呼ぶことがあります。

漠然とした意味で使われる小1の壁ですが、具体的にどのようなものなのでしょうか。

この記事では、小学1年生になったときの小1の壁にはどのようなものがあるのか、どのように乗り越えたらよいのかなどのヒントを紹介しています。

ぜひ参考にしてくださいね。

目次

小1の壁とは?

小1の壁

小1の壁は、一般的に「働いている親が直面する仕事と育児の両立のこと」といわれています。

しかし、小1の壁は子ども自身が直面するものや、働いていなくても家事との両立に悩む親御さんが感じることも。

そのため「仕事と育児」だけではない、環境の変化によって起こりうる「壁」を、この記事では小1の壁ととらえています。

小1の壁にはどのようなものがあるのか、以下の章で見ていきましょう。

小1の壁【入学前編】

小1の壁 入学前

小1の壁は小学校へ入学する前から始まります。

入学する前の準備段階で感じる壁は家庭によっても変わりますが、主な壁を以下に3つ紹介しています。

  • 準備するものがたくさんあること
  • 親のデジタルスキルが必要なこと
  • 子どもと親の気持ちが不安定になること

具体的に見てみましょう。

準備するものがたくさんあること

小学校の入学半年くらい前から、「就学前検診」や「入学説明会」などの予定が入ってきます。

その際に文房具や体操服、給食着など、入学後に必要な物を学校側から提示されます。学校によっては「キャラクターがはいった文房具は使用不可」「筆箱は1本ずつ鉛筆が差し込めるタイプ」などの指定が出されることも。

算数セットなどの細かい文房具も記名が必要なため、この手間が壁と感じる親御さんも多いようです。

鉛筆やおはじきなどの小さい物の記名は、「名前シール」が圧倒的に便利です。名前シールは通販で注文できるため、手間を減らすためにも注文しておくとよいですね。
お箸セットにも記名が必要なため、防水のシールがおすすめです。

ほかにも学童保育の申込なども始まります。
申込期間が決められているため、もたもたしているとどこの学童にも入れないといった事態になってしまいます。
そのため、年長さんの夏ごろには学童の絞り込みが必要です。

学校と学童が離れている場合は、学童まで歩くのか、バスなのかなどのリサーチも必要です。歩く場合は学校から遠すぎると、入学したばかりの子どもでは大変なことも。子どもの体力を考えて、学童の候補を絞ることも大切です。

親のデジタルスキルが必要なこと

現代ではスマートフォンを持っている親世代がほとんどだと思いますが、なかには苦手な人もいるのではないでしょうか。

学校によっては、欠席の連絡は「電話ではなくスマートフォンからで」とお願いされることがあります。
また、お便りなどもスマートフォンのアプリに連絡が来る場合もあります。

メールではなく、学校指定アプリのダウンロードが必要なこともあり、今までのデジタルスキルでは追いつかない、と感じる親御さんもいるようです。

また、タブレット端末が子ども一人に1台渡される学校もあり、毎日持ち帰るケースもあります。家での接続方法や簡単な電源操作くらいは、理解しておいた方が無難です。

子どもも親も気持ちが不安定になること

小学校へ入学する前に、気持ちが不安定になってしまう壁があります。幼稚園や保育園から新しい世界に飛び込むのは、子どもにとって大冒険に挑むようなもの。楽しみにとらえる子もいれば、不安で仕方ない子もいるはずです。

親も子ども同様に「大丈夫かな?」と不安になってしまうものですが、親が不安になっているとその気持ちが子どもに伝わってしまいます。親御さんはどしっと構えるのがベストですが、どうすればよいのでしょうか。

不安になってしまうのは「分からない」ことがあるため。
さまざまな方法で学校の様子や情報を得て予習しておくと、不安な気持ちが和らぐはずです。

今ではホームページが開設されている小学校がほとんどなので、確認しておくと行事などのイベントも把握しやすいです。
また、入学する小学校にお兄ちゃんお姉ちゃんが通っている、知り合いのママ・パパに聞くのもよいでしょう。

土日に学校の校庭が開放されているようであれば、子どもと一緒に遊びに行くのもよいかもしれませんね。学校へ登校する予行練習と、校庭で遊んで楽しい体験ができると、親子両方に気持ちに余裕ができるはずです。

小1の壁【学校編】

教室

晴れて小学生になり、学校へ通い始めることに。入学式はパパ・ママと一緒に学校へ行きますが、翌日からは子どもたちだけで学校へ行き始めます。

入学間もない、まだ慣れていない時期に生じる主な壁は以下の3つです。

  • 親と一緒じゃないと学校へ行けない子もいる
  • 環境になじめない子もいる
  • 給食の時間が短い

具体的に見てみましょう。

親と一緒じゃないと学校へ行けない子もいる

入学式はパパ・ママと一緒に学校へ行きますが、登校班であれば翌日からは子どもたちだけで学校へ行き始めます。

最近では登校班がない学校もあるので、1週間ほどは親が付き添って登校するケースもありますが、そのあとは子どもだけで通うようになります。

しかし、どうしてもパパ・ママと一緒じゃないと行けない、という子もいます。

出勤に間に合わない、と突き放してしまう親御さんもいますが、不安を抱えた子であればしばらく一緒に登校してあげるのがベター。

登校班でも親が一緒に登校するケースは1年生では珍しいことではなく、半年から1年近くまで一緒に登校することもあります。

いつまで付き添いすればよいのかは、子ども次第。
「もうついて来なくてもいいよ」というまでは、付き添ってあげると安心できるようです。

近所の子と放課後に遊ぶ機会を設けて一緒に登校できる友達を作ったり、学校の楽しい話題を聞いてあげたりすると、早く不安がなくなります。

環境になじめない子もいる

幼稚園や保育園が少人数クラスだったため、小学校のクラス人数が多いことに圧倒されてしまう子もいます。

今まではマイペースで生活できていたのに、周りのペースに合わせなくてはいけないため、不安になってしまうというケースです。

こればかりは慣れるしかありませんが、あまりにも大人数が苦手で学校を嫌がるような場合は本人の気質が関係することも。

大人数による大きな音や、ザワザワした場所がとても苦手で、「逃げ出したい」と感じる子もなかにはいます。

そのような場合は、その子の気持ちをよく聞いてあげて理解することがもっとも大切です。
また、スクールカウンセラーに相談する方法も有効です。

給食の時間が短い

小学校の給食時間は約50分です。50分のうちに配膳や後片付けも含まれるため、実際に食べる時間は20分ほど。小学校に入学したばかりは、ほとんどの子が時間内に食べ終わらないようです。

入学前にできてほしいことの一つに、「○○分以内に食べ終わるように」と説明を受けることもあります。

しかし家での食事で練習しても、実際に給食でうまくできるようになるには時間がかかります。家で練習する場合はテレビや動画を見ながらではなく、食事に集中して取り組めるような環境を整えることが大切です。

小1の壁【放課後編】

公園で遊ぶ 小学生

学童保育に入っていない場合は、学校が終わるとまっすぐ帰ってきます。

小学生になったから少しは目が離せる、と思っても意外なところで親の出番が出てきます。

小学生ならではの放課後の壁は主に以下の2つです。

  • 子どもの遊びに親が付きそう場合もある
  • 宿題の丸付けが親の日課になる

具体的に見てみましょう。

子どもの遊びに親が付きそう場合もある

小学校で新しい友達ができた!と子どもから聞かされれば、親としてもうれしいものですよね。

幼稚園や保育園のときは親が約束を取り決めることが多かったですが、小学生になると親の都合を聞かずに、子どもが遊びの予定を入れてくることがあります。

連絡手段を持たない子の場合、行けなくても相手に連絡出来ず困ったという親御さんもいるようです。

小学1年生の場合は友達と外で遊ぶ約束をしても、親がついていくパターンが多いもの。不審者からの被害や交通事故のリスクを考えると、小学1年生を一人で行かせるのは不安です。

そのため小学1年生の遊びには親が付き添うのが一般的。突然の約束に付き合わされることで、親の予定が狂ってしまうこともあります。

宿題の丸付けが親の日課になる

幼稚園や保育園では無かったものが、宿題です。小学校へ入学すると、ほぼ毎日のように宿題が出される学校もあります。

計算ドリルや漢字の書き取り、音読やプリントなど種類や量に最初は驚くかもしれません。しかも宿題の確認や丸付けは全て親がやるという学校も。

夕方の家事の合間や寝る前の時間を使って、毎日丸付けしなくてはならない状況が入学してから数年間続きます。

今までなかったことなので、親も最初は慣れるまで面倒だと感じるはずです。

とはいえ、子どもの学習状況を把握できる大切な機会だともいえます。ほんの少しの隙間時間を組み合わせて、子どもの宿題に向き合ってあげられるとよいですね。

小1の壁【親の勤務編】

働く親

子どもが小学校へ入学すると、1日のスケジュールが大きく変化することをお伝えしました。

そうなると働いている親のスケジュールも大きく変わってきます。
ここでは働いている親が受ける、直接的な影響を3つ紹介します。

  • 入学直後は帰宅時間が早い
  • PTAの役員や授業参観は平日がほとんど
  • 振替休日に注意

具体的に見てみましょう。

入学直後は帰宅時間が早い

学童に入っている子であれば下校時間にあわせて学童へ行ってくれますが、そうでない場合は下校時間に気をつけましょう。

特に入学直後は給食が始まっても13時頃に帰宅。授業が通常通りに始まっても14:30と早い時間に帰宅します。

また、学校行事などの都合によって、突発的に短縮授業になる日もあります。

子どもの下校時間と終業時間の差があまりないから、と何も考えていないと数時間子どもを留守番させる日が出てくる可能性もあります。

子育て中はフレックス制の利用など、時間に融通が利くかどうか、あらかじめ勤務先に確認を取っておきましょう。

PTAの役員会や授業参観は平日がほとんど

小学校の授業参観や役員会は、平日であることがほとんどです。そのため、両親が働いている場合はお休みを取る必要が出てくるかもしれません。

学校にもよりますが、授業参観は1学期に1度、個人面談や保護者懇談会、家庭訪問は1年に1度あります。

PTAの役員になると、平日の夜に1カ月に1度の会議に参加しなくてはなりません。

PTA役員は仕事によって会議や参加のペースは変わりますが、役員会があるときは子どもを留守番させるか迷ってしまいます。

もし自分が役員に選出されたら前の役員さんに、子どもはどうしていたのか聞いておくと安心です。

振替休日に注意

運動会を始めとした土日の学校行事は、平日に振替休日があります。学童保育へ預ける場合は学童で1日を過ごしますが、そうでない場合は在宅となります。

両親が働いている場合は1日中お留守番となりますが、小学1年生ではさすがに心配。

夫婦で相談して半休ずつ取る、もしくは有休を使う、在宅勤務にしてもらうといった配慮が必要となります。

小1の壁にまつわるSNSの書き込み

小1の壁に不安を感じている人、乗り越えた人、さまざまな声がSNSにはありました。
リアルな声を見てみましょう。

小1の壁の乗り越え方

小1の壁 乗り越え方

小1の壁を乗り越えるには「時間の使い方」がキーポイントになります。
とはいえ家族全員の時間を使っても、今まで通りに対応できない場合があるのではないでしょうか。

そのような場合はほかの人の力を借りたり、生活スタイルを変えたりしなければ壁を乗り越えるのは難しいでしょう。

小1の壁にぶつかりそうだ、と思ったときに自分たちができることはどのようなものなのか、具体的に見てみましょう。

学童や習い事・ファミサポや時短勤務を積極利用する

小1の壁として最も大きく感じるのが、子どものスケジュールに合わせること。
小学校は曜日によって下校時間がまちまち。両親が働いている状況であれば、家族だけで乗り切るのは難しいはずです。

そんなときの強い味方が学童保育ですが、何らかの理由で入所できなかったのであれば、自治体の「ファミリーサポート」を利用するのも手です。

ファミリーサポートとは、自治体による子育ての助け合い事業のこと。支援を受けたい人と、支援したい人が会員登録することで、利用できるシステムです。

支援を受けたい人の多くは、乳幼児から小学生までの子どもを持つ親。逆に支援したい人は、子育てを終えた主婦などが多いです。

支援を受けたい人が利用するには時給の支払いが発生しますが、習い事の送迎や下校時間が早い日だけ利用したい場合など、効率的に利用できるメリットがあります。

また学童の代わりに利用できるのが習い事。なかには学校までお迎えに来てくれて、習い事のお迎えまで受講させてくれる習い事もあります。

時間のやりくりがどうもうまくいかない、毎日へとへとで体が持たない、という人は勤務先に掛け合って時短勤務を申し出てもいいですね。

職場によっては一定の年齢までは時短勤務を認めている場合があるので、上司に相談してみましょう。

夫婦の役割分担を考える

どちらかだけが家事と育児の負担になると、乗り越えたい壁が高く感じてしまうもの。

そのためにも、夫婦の役割分担をあらかじめ決めておくことが大切です。

生活リズムをなるべく子どもにあわせてあげるためにも、どちらかだけではなく役割をしっかり決めて、一人ひとりの負担を減らすことが壁を乗り越えるコツでもあります。

親自身の心の持ち方を変える

小1の壁が高くなってしまう理由の一つに、親が完璧を求めてしまうことも挙げられます。

今までできていたことを、小学校へ入学してからも続けたい、親がそう思う気持ちは分かりますが、幼稚園・保育園時代と小学校では時間軸が大きく異なるもの。

そのため、今までと同じように完璧に物事をこなそうと思うと無理が生じてしまいます。
また、親が「辛い」と思ってしまうと、子どもにも不安定な気持ちが伝わってしまいます。

小学校の時間軸にあわせて、「やらなくてもいいこと」を探し出してみましょう。

完璧を目指さないことを意識すると、気持ちに余裕が生まれるはずです。親自身の心の持ち方が変わると、壁を乗り越えられる高さまで低くできますよ。

内閣府による小1の壁への取り組み

都心 官公庁

内閣府は小1の壁の打開策として、2016年から放課後児童クラブの充実を計っています。

具体的には、「小学校の空き教室などを利用して、放課後に安心して児童が過ごせる場所を提供できるようにする」というもの。放課後児童クラブは、地域と連携して学習や文化・スポーツなどを学ぶ場として活動を実施しています。

とはいえ、全ての都道府県・自治体でおこなわれるわけではないため、まだまだ発展の余地があります。学童保育だけではなく、地域の人が子どもたちを見守れる場として、今後さらに期待したいですね。

小1の壁は子育てスタイルによって変化する!自分に合った乗り越え方を見つけよう

小1の壁 乗り越え方

小1の壁は、子どものスケジュールに柔軟に対応できる時間管理と、フットワークの軽さが大切です。しかし、親だけで壁を乗り越えるのは難しいこともあります。

気持ちに余裕をもって毎日を過ごすために、学童保育やファミリーサポート、身内の手助けが必要となることがあるでしょう。

小1の壁は家庭の生活リズムやスタイルによって大きく変わります。仕事との向き合い方や夫婦の関係性など、考え方がそれぞれあるので「コレが正解!」というものがないのも事実です。

自分たちに合った「壁」の乗り越え方はどれなのか、まずは入学前に家族で意見を出し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

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