夏休みが近づくと、子どもに有意義な時間を過ごさせたいと考えている親御さんもいるのではないでしょうか。しかし、有意義な時間といっても具体的にどうしたらよいのかわからないことも多いはず。
そのようなときは、夏休みをダラダラ過ごすのではなく、成長の機会が持てる「サマーキャンプ」に参加させてみてはいかがでしょうか。
小学生だけが参加できるサマーキャンプは、子どもが一気に成長できる大変有益なイベントです。とはいえ、メリットが多い小学生のサマーキャンプですが、内容やメリットなどわからないことも多いかと思います。
そこで、この記事では小学生のサマーキャンプについて解説していきます。
1日の流れから子どもに合ったサマーキャンプの選び方、メリットやデメリットまで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
小学生のサマーキャンプって何?
夏休み中に親元を離れて過ごし、子ども達がメインとなっておこなうグループ活動のことです。宿泊を伴うサマーキャンプがほとんどですが、日帰りのサマーキャンプも存在します。
リーダーと呼ばれるアクティビティを指導する大人のもと、同じ年代の子どもたちと生活をともにします。
子ども同士で協力し合いながら体験活動をおこなうため、協調性や自主性などが育まれるよい機会だとして、毎年参加する子もいるようです。
具体的なアクティビティの例は次章で紹介します。
小学生サマーキャンプのアクティビティの種類
小学生のサマーキャンプの内容は、運営会社などによって変わってきます。一つの運営会社でもたくさんのアクティビティを用意しているため、選ぶのが大変なほどです。
そのなかでも代表的なものや、特徴あるアクティビティをピックアップして紹介します。
屋外キャンプ
屋外で飯ごう炊さんやキャンプファイヤー、体を動かすゲームなどをして過ごすキャンプです。宿泊を伴う場合、テントを子ども達で建てて寝ることもありますが、宿泊所で参加者全員が一緒に寝ることもあります。
食事の用意や寝床の準備の方法はリーダーから説明がありますが、実際に準備するのは子ども達。日頃寝床の準備など、生活にまつわることは親に任せている子も自分でやらなくてはいけません。
大変な思いをする子も出てきますが、生きていくのに必要な衣食住の基本を学ぶのに最適なキャンプです。
食事の準備や寝床の準備以外の時間は、キャンプによってアクティビティが異なります。夏のキャンプであるため、以下のようなアクティビティをおこなうことが多い傾向です。
- 水鉄砲バトル
- カヌー体験
- 川遊び
- 魚のつかみ取り
- 虫取り体験
- どろんこ遊び
雨の場合は、体育館などでおこなうレクリエーションに変更されることもあります。
富士山登山キャンプ
富士山の登頂を目指すキャンプです。親子で参加できるキャンプもあるので、家族で登頂の目標を立てることもできます。登山スケジュールは富士山の5合目まではバスで登り、5合目から徒歩で登るパターンがほとんどです。
また、山小屋に2泊する、5合目で1泊するなど高山に体を慣らしながら無理のないスケジュールが組まれています。宿泊はテントではなく、山小屋などの宿泊所です。
登り始める前には、登山の専門家から指導を受けるため登山経験があまりなくても大丈夫。しかし、体力に自信がない場合は事前に体力づくりをしてから参加すると安心です。
子どもと一緒にランニングや筋力トレーニングなどをして、サマーキャンプの前から親子の繋がりを持てるのも富士山登山キャンプの魅力でもあります。
水族館で飼育員体験キャンプ
水族館でエサやり体験や魚に触る体験などを盛り込んだ、飼育員の体験ができるキャンプです。宿泊は決められた宿泊所のほかに、夜の水族館に寝袋や布団を敷いて一晩すごすこともあります。
水族館の中で飼育されている生物に触る以外にも、海の岩場へ出かけてカニなどを探すアクティビティも用意されていることがあります。
水族館がある地域の生物を確認するため、海流や地形なども体を動かしながら学習できますよ。海の恵みや危険なども学べる、学習系のサマーキャンプです。
飼育員体験キャンプは子ども向けキャンプの運営会社以外に、水族館が主催しているキャンプもあります。お目当ての水族館がある場合は、直接水族館に問い合わせてみるのもよいかもしれません。
イングリッシュキャンプ
イングリッシュキャンプとは、英語で交流するキャンプです。キャンプの期間中はなるべく(もしくはまったく)日本語は使わずに過ごします。英語で会話するため、英語の能力を伸ばせるのが最大のメリットです。
小学生向けのイングリッシュキャンプは、屋外の自然に触れたりレクリエーションで交流を深めたりすることが中心の活動です。そのため、あまり勉強を意識せずに英語に触れられるメリットがあります。
同世代の外国人の子と交流することもあり、キャンプが終わった後は外国人のお友達ができることもあるようです。英会話の能力以外に国際感覚が養えるのも魅力ですね。
イングリッシュキャンプは英会話教室が主催となっておこなうものもありますが、サマーキャンプの運営会社が主催することもあります。
また、日本国内でおこなうものもあれば、海外でおこなう、短期留学に近いプログラムも存在します。
小学生がサマーキャンプに参加するメリット・デメリット
小学生で親元を離れて過ごすのはまだ早い、そう思う親御さんもいるかもしれません。
ここでは、小学生がサマーキャンプに参加するメリットとデメリットを紹介します。
メリットは成長を感じられること
サマーキャンプに参加すると、子どもの成長を一気に実感できます。サマーキャンプは、親元を離れて知らない大人の指導のもと、知らない子ども達と協力しないと過ごせません。
自分達で生きていくために、知らない人とどのようにコミュニケーションを取ったらよいのか、どのように協力していけばよいのかを学び、実践するのです。そのため、自主性と協調性が数日間でグッと育ちます。
また、小学生高学年になれば宿泊学習や修学旅行など、宿泊をともなった社会科見学も学校行事に組み込まれます。学校行事の前にサマーキャンプに参加しておくと、宿泊学習で親から離れるのが怖いと感じることも減るようです。
デメリットは性格によっては楽しめないこと
サマーキャンプに参加するとメリットを感じることがほとんどですが、子どもによっては楽しめないこともあります。このケースは、親から離れることに強い恐怖を感じているような子にありがちです。
普段から人見知りが人一倍ひどいような子は、もしかしたらサマーキャンプは合わないかもしれません。キャンプへ行ってもメソメソ泣いてばかりで活動ができないと、何のために参加したのか分からなくなってしまいます。
また、子どもの立場としてみても「親から見放された」と感じてしまい、さらに自分の殻に閉じこもってしまうケースも考えられます。
このような子はもう少し心の成長を待って参加させるか、仲の良い友達と一緒に参加させるなどの工夫が必要です。
サマーキャンプの申し込みはどこでするの?
サマーキャンプは、子ども向けキャンプの運営会社やキャンプ場、青年育成団体などで申し込めます。
具体的には以下のような団体です。
- YMCA
- トムソーヤクラブ
- そらまめキッズアドベンチャー
- アルプス子ども会
- 白州テラスキャンプ場
- 夢職人
上記のようなキャンプ運営会社のほかに、住んでいる地域が子育て支援の一環としてサマーキャンプを開催することもあります。
自治体の教育委員会や子供会、学校の宿泊施設で使う地域の交流センターなどが主催するサマーキャンプです。自治体が主催のサマーキャンプは、比較的安く参加できる特徴があります。
サマーキャンプの1日の流れ
サマーキャンプでは、決められた時間に沿って規則正しい生活を送ります。
大まかな流れは以下のようなものです。
- 起床
- 朝の集い
- 朝食
- 午前のアクティビティ
- 昼食
- 午後のアクティビティ
- 夕食
- 夜のアクティビティ
- 消灯
アクティビティは屋外で体を動かすものから、工作、レクリエーションやゲームなど参加プログラムによって変わります。
サマーキャンプの費用
サマーキャンプ費用の目安は、以下の通りです。
- 日帰り 15,000円~
- 1泊2日 40,000円~
- 2泊3日 55,000円~
- 4泊5日 100,000円~
金額は移動距離とアクティビティの内容、宿泊期間によって大きく異なるため、上記の金額に当てはまらない場合があります。
サマーキャンプの期間
サマーキャンプは日帰りから参加できるプログラムもあれば、10泊以上するものもあります。日帰りや1〜2泊するサマーキャンプは、屋外で自炊するようなキャンプや職業体験を伴ったものが多い傾向です。
宿泊数が多いプログラムには、沖縄の離島でマリンアクティビティを伴ったものや、山を登り、寺の修行体験などが組み込まれたものもありました。
サマーキャンプの期間は長ければよい、というものではなく、子どもの性格や家族の予定と合わせて設定することをおすすめします。
サマーキャンプが初めてであれば、さみしさを克服しやすい短期間のプログラムがよいかもしれません。
子どもが元気にしていても、慣れない場所で生活するのは思ったよりもハードです。期間が長いと、プログラムの途中で心身共に疲れて具合が悪くなる子もいます。慣れないうちは、お試しのつもりで短期間のプログラムに参加してみましょう。
サマーキャンプの持ち物
サマーキャンプの持ち物は、プログラムによってさまざまです。事前に指定されるのでその通りに準備します。
持ち物の例は以下の通りです。
- 着替え
- 防寒着
- 雨具(かっぱ)
- 軍手
- タオル
- 虫よけ
- 水着
- アクアシューズ
- 水筒
- 日よけの帽子
- 洗面用具
- パジャマ
- 虫よけ
- 筆記用具
- 日焼け止め
上記は最低限必要と思われる持ち物です。薬を服用している子は薬の用意が必要ですし、アクティビティによって必要な物も変わります。サマーキャンプの運営者より持ち物の指定がなく不安な場合は、直接問い合わせましょう。
小学1年生でも安心なサマーキャンプの選び方
サマーキャンプは親元を離れて活動します。そのため小学校高学年のためのものと思われる方もいるかもしれません。
しかし、サマーキャンプには小学校1年生から参加できるものも多く存在します。
1年生から参加させたいけれどちょっと心配、と思っているのであれば、以下の点に注意して申し込むと安心です。
- 低学年だけ参加するキャンプ
- 家の近くでやるキャンプ
- 子どもの性格に合わせたキャンプ
それでは具体的に見てみましょう。
低学年だけ参加するキャンプ
小学1年生でサマーキャンプが初めて、という場合は小学校低学年だけのサマーキャンプに参加することをおすすめします。学年が近い子同士であれば体力などの差が少なく、自分だけ置いてけぼりになるケースも避けられるはずです。
またサマーキャンプでは、レクリエーションなど子どもだけの交流の場が設けられます。その際も年齢が近ければ、共通の話題で仲良くできるかもしれません。
また、キャンプリーダーも学年が小さい子たちのかかわり方に集中できるため、目が届きやすいといったメリットもあります。
家の近くでやるキャンプ
小学1年生のサマーキャンプは、小学校に入学してから初めての夏休みにおこなわれます。
学校生活や長期休みなど、慣れないことが続いた上にサマーキャンプの参加となると、思った以上に心身が疲れてしまうことも考えられます。そのため、プログラム中に体調を崩してしまうことも。
体調に変化があった場合は親が現地まで迎えに行くこともあるため、慣れないうちは家から近い場所でのサマーキャンプがおすすめです。
体力や精神的にタフな子であれば、どのような環境でも適応できますが、少しでも心配な子は家から近い場所の方が安心です。
子どもの性格に合わせたキャンプ
せっかくのサマーキャンプなのだからいつもと違う体験をさせたい、心身共に鍛えてほしい、と期待される親御さんもいるかもしれません。
確かにサマーキャンプに参加すると、子どもがたくましく成長するのは前述したとおりです。しかし、子どもの性格とあまりにもかけ離れたプログラムに参加してしまうと、楽しみが半減してしまいます。
外で思いっきり遊ぶのが好きな子に屋内アクティビティがメインのプログラム、体力に不安がある子に登山させる、といったケースは子どもの意思が強くなければ楽しさを感じにくいかもしれません。
まずは子どもに興味があるものを選んでもらい、そのうえで体力は大丈夫か、楽しみたいことは何かを親子で話し合って決めることが大切です。
サマーキャンプに参加すると子どもが頼もしくなる!興味があったら参加させてみよう
小学生のサマーキャンプは、子どもが一気に成長するチャンスです。たとえ同じサマーキャンプで初めて顔を合わせる場合でも、協力しながら作業を進め、困っている子がいたら助けなければなりません。サマーキャンプは、お母さん・お父さんに頼ってきた子が「何とかしなくちゃ」と思えるよい機会です。
小さな問題でも自分たちで乗り越えた後の子ども達は、自信に満ちた頼もしい顔になります。興味がありそうならば、ぜひ参加してみてくださいね。