TOEICのスコアアップに速読力は欠かせません。しかし単語や文法の教材や学習方法は出回っていても、速読の学習方法はあまり見かけません。速読に関する参考書も、単語帳やパート別問題集と比べると少ないです。
TOEICスコアで伸び悩んでいる方は、速読力を鍛えるだけでスコアが大きく向上する可能性があります。本記事では、TOEICを速読する6つのコツと、おすすめの参考書を3冊紹介します。
記事を最後までチェックして、速読について学びましょう。
速読はTOEICスコアアップのカギ!
TOEICスコアアップには、語彙力や文法力など複数のスキルを上達させる必要があります。そして速読力は、その中でも特に重要なスキルです。
なぜならTOEICは試験時間に対して読まなければならない英単語の量が多いからです。英検やTOEFLなど、他の英語資格試験はある程度ゆっくり問題を考える時間があります。しかしTOEICはじっくり考えられる問題は1問もありません。
そもそも速読を一切意識せずにTOEICを解いても、試験時間内に最後の問題までたどり着かないはずです。実際にTOEIC受験者には、試験時間内に問題を解き終えることができず、空欄に適当にマークをして運任せになってしまう方が毎回たくさんいます。私もその経験はあります。
速読はTOEICスコアアップに欠かせません。
TOEICに必要な速読力は100WPM以上
ではTOEICに必要な速読力はどのくらいなのでしょうか?速読力を測るためにはWPMという指標が用いられます。WPMとは、Words Per Minuteの略で、1分間に読める単語数のことです。
ちなみに英語ネイティブのWPMは200以上と言われています。そしてTOEICに必要なWPMは100以上です。
WPMを測るためには、文章の単語数を数えて、英文を読む時間を測らなければなりません。特に文章の単語数を数えることに関しては、かなりの手間がかかります。TOEICパート7の長文の単語を1つ1つ数えるのは大変ですよね。
そこでおすすめなのが、速読用のTOEIC教材です。速読用の英語教材には、単語数が予め記載されているので、時間を測るだけでWPMを測定できます。
速読用の英語教材に関しては、記事後半で解説しています。
TOEICを速読するための6つのコツ
TOEICを速読するためのコツは以下の6つです。
- 語彙力を増やす
- 文法を理解する
- 問題を先読みしておく
- 文章を区切って読む
- 予測しながら文章を読む
- 分からない文章は思い切って飛ばす
それぞれ詳しく解説位していきます。
語彙力を増やす
まず速読するために必要なのは語彙力です。語彙力は速読のみならず英語学習の根幹に当たる部分です。よって最優先で語彙力を伸ばしましょう。
文法事項が分かっても、ただしい発音を身につけていても、語彙量がなくてその単語の意味が何なのかが分からなければ英語は読めるようにも話せるようにもなりません。
速読においても、語彙力は大切です。語彙力がなければ、英文を速読するどころか、ゆっくり読んで理解することすらできません。
語彙力、単語学習といえば英語の和訳と日本語の英訳の2つがあります。しかしTOEICのスコアアップを最優先で考える、TOEICが速読できるようになることを最優先で考えるのであれば、和訳に絞って語彙力を鍛えるべきです。英訳は学習する必要はありません。なぜならTOEICでは英訳問題は一切出題されないからです。
リスニングでは英語を聞いて日本語に訳し、問題を解きます。リーディングでは英語を読んで日本語に訳し、問題を解きます。どちらも必要なのは和訳ですよね。
TOEICにおいては、ひとまず語彙力さえあれば、文章の大まかな意味は掴めるようになります。TOEICで速読ができるようになりたいのであれば、まずは語彙力を伸ばしましょう。
TOEICで必要とされる語彙力は中学高校レベルの英単語とTOEIC頻出単語です。
文法を理解する
TOEICの速読力を鍛えるためには、文法の学習も必要です。文法がわかれば、文章の細かいニュアンスが読み取れるようになります。例えば語彙力があって文法力がない状態だと、文章の大まかな意味は掴めても、細かい意味までは掴めません。
TOEICで求められる文法は、中学高校で習う文法です。中学高校で習った文章を忘れてしまっている場合は、文法を復習しましょう。
「この文法は何だったかな?」と毎回考えていると、速読に支障が出ます。よって、すぐに文法の内容が頭に浮かぶレベルまで文法を体に叩き込んでおくべきです。
問題を先読みしておく
問題の先読みも、TOEICの速読には必要です。問題の先読みは、特にTOEICのリスニングにて効果があります。
TOEICのリスニングでは、問題や選択肢を先読みできる時間があります。具体的には問題概要と例文が紹介されている時間と、設問の間の8秒間です。この時間にできるだけ多くの英文を先読みしておくことで、問題が解きやすくなります。
例えばTOEICパート3の問題を解く際に、パート3の設問と選択肢全てを先読みした状態で音声を聞くのと、設問も選択肢も一切先読みしない状態で音声を聞くのとでは、問題の解きやすさが全く異なります。
しかし先読みできる時間は決して長くはありません。普通に英文を読んでいると、先読みをしている途中でリスニング音声の放送が始まってしまいます。
速読というとTOEICリーディングでのみ役立つイメージがありますが、リスニングでも役立ちます。
文章を区切って読む
TOEICの速読力を上げるためには、文章を区切って読むことが大切です。文章を区切って読むことで、返り読みをせずに文章を読めるようになります。返り読みをしてしまうと、その分時間がかかってしまいますよね。
学生時代に、英語の教科書にスラッシュを引いて文章を読みやすくした経験があるのではないでしょうか?それを頭の中で行い、文章を読みやすくしましょう。
予測しながら文章を読む
TOEICを速読するためには、文章をある程度予測しながら読みましょう。
TOEICに慣れてくると、文章がある程度予測できるようになってきます。例えば「この話題の時はこういうことが起こるよな」「この単語が出てきた時は大体この選択肢が正解になるよな」のような形です。
例えばTOEICパート1で”pile up”「積み上げる」という意味の表現が登場した場合、その選択肢がかなりの確率で正解になります。またTOEICパート7で”but”のような接続詞が登場した場合、その後の文章が答えに関係する可能性は高いです。
このようにTOEICに慣れ、予測ができるようになれば「予めどんな内容かが分かった状態」で問題を読めるようになるので、TOEICの文章を読むスピードが上がります。
上記で説明したようなテクニック的な部分に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【意識するだけでスコアアップ】TOEIC必須テクニック10選
分からない文章は思い切って飛ばす
TOEICの速読力をアップするためには、分からない文章は思い切って飛ばしましょう。なぜなら分からない文章で立ち止まって考えれば考えるほど、時間がかかって文章を読むスピードが落ちてしまうからです。TOEIC800点や900点レベルの方でも、試験の中に1つや2つは分からない文章が出てきます。
分からない文章が答えに直結しそうな場合は、飛ばさずに何とか読むべきです。しかしそうでない場合は思い切って飛ばしましょう。また答えに直結しそうな文章でも、読める気配がしない場合は思い切って飛ばすべきです。
またTOEICの速読力を上げるためには、全文を読まないことも大切です。例えばTOEICパート5・6には、空欄の前後だけを見て解ける問題がたくさんあります。文章全体を見て解くのと、空欄の前後だけを見て解くのとでは、かかる時間が異なります。
TOEICパート5・6には以下3つのタイプの問題があります。
- 語彙問題
- 文法問題
- 品詞問題
これらのうち文法問題と品詞問題に関しては、空欄の前後を見るだけで解くことができます。詳しくは以下の記事でも解説しています。
関連記事:TOEICパート5の対策と注意点、おすすめ教材を紹介
TOEICの速読に役立つおすすめ参考書3選
TOEICの速読に役立つ参考書は、以下の3冊です。
- TOEIC TEST 速読WPMトレーニング
- TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編
- TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2
それぞれ詳しく見ていきましょう。
TOEIC TEST 速読WPMトレーニング
TOEIC TEST 速読WPMトレーニングでは、まずはパート4のリスニング問題に近い英文で速読の基礎を身につけ、仕上げにパート7形式の英文を速読して、早く正確に英文を読む訓練をします。価格は1,650円です。
パート4形式の文章は100単語程度、パート7形式の文章は200単語程度です。音声は無料でダウンロードできます。
TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編
TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編は、TOEICの人気参考書シリーズ「特急シリーズ」の速読用参考書です。価格は836円と、他の参考書よりもお得です。またサイズが他の参考書よりもコンパクトなので持ち運びにも適しています。
TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編は、速読初心者向けの参考書です。よって簡単な文章や表現が目立ちます。TOEIC800点未満の方におすすめの一冊です。
TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2
TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2は、TOEICパート1・2の問題形式で速読を学べる参考書です。価格は1,760円です。
TOEICパート1・2は、TOEIC全7パートの中でも比較的簡単なパートです。よってTOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2は、TOEIC初心者中級者向けの参考書であると言えます。
また問題のみならず、TOEICのお役立ち情報もコラム形式で掲載されています。
まとめ
TOEICにおける速読について解説しました。速読はTOEICスコアアップに欠かせません。しかし速読を重要視しているTOEIC学習者は少ないように感じます。
早速本日から、速読を意識しつつTOEIC対策を行いましょう。