健康意識が高まっているなか、1食に必要な栄養素を1つの食品で摂取することができる「完全栄養食」が注目を集めています。
完全栄養食(完全食)とは、人間が生きていくうえで必要な栄養が全て取れる食品のことです。
- 仕事や勉強で忙しくて時間がない
- 疲れていて料理をしたくない
- 栄養バランスを考えながら食事を用意するのが大変
こんなとき、栄養満点の食事がすぐに用意できるというのが完全栄養食の魅力です。
便利な完全栄養食は、急激に世の中に広まりつつあります。この記事では、そんな完全栄養食の特徴やメリット、デメリットをまとめました。
効果的に栄養を摂りたい方や、完全栄養食に興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
完全栄養食とは
完全栄養食とは、たんぱく質や必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど、人間が一日に必要な栄養素をバランス良く含んでいる食品のことです。
代表的な自然の完全栄養食として、母乳が挙げられます。母乳は、赤ちゃんにとって必要な栄養素を満たしており、赤ちゃんの完全栄養食と言われています。
成長に必要な栄養素や、赤ちゃんの体を守る免疫物質も含んでいます。
また、日頃食べられているような食品の中にも、栄養価が高く「準完全栄養食」と呼ばれている食品があります。
以下のような食品です。
- 卵
- 納豆
- 玄米
- ブロッコリー
- りんご など
これらは非常に栄養価が高く、普段から積極的に摂取したい食品です。
加工品として市販される完全栄養食は、2013年にアメリカで生まれました。
完全食が生まれた当初は、粉を溶かして飲むドリンクタイプが主流でしたが、近年では、パンやパスタ、チョコレートなどさまざまなタイプが販売されるようになりました。
完全栄養食として開発された商品は、食べることで1日に必要な栄養素の種類と量をバランスよく全て補えるように計算して作られています。
完全栄養食に含まれる栄養素
繰り返しになりますが、完全栄養食とは「人が健康的な生活を送るために必要な栄養素が含まれている食品」のことです。
日本では、厚生労働省が定めた「日本の食事摂取基準」に基づき、日本人が1日に必要な35種類の栄養素が含まれており、そのうちの3分の1の栄養素を1食分で取れる商品が多いです。
炭水化物、タンパク質、脂質、飽和脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸、コレステロール、食物繊維、糖類、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
上記のような栄養素を意識して毎日継続的に摂取するのは難しいですよね。
加工品の完全栄養食は、不足しがちな栄養素は補い、カロリーや塩分、糖質、脂質などは摂りすぎないようにコントロールされています。
1食を完全栄養食に置き換えたり、普段の食事に補助的に追加することで、理想的なバランスで栄養素を摂取できるので、日頃から栄養バランスを整えたい方にはおすすめです。
完全栄養食の種類
完全栄養食は多くのメーカーから販売されており、その種類や形状も様々です。
現在出回っている完全栄養食の代表的な種類を3つ紹介します。
- 食事タイプ
- 間食タイプ
- ドリンクタイプ
ご自身の好みの味や食べたいタイミングにあわせて選ぶことをおすすめします。
食事タイプ
食事タイプには、パンやパスタ、カレー、スープなどがあります。
通常の食事と同じように食べることができ、満足感が得られやすいので、1食分の置き換えにおすすめです。
麺を茹でたり、レトルトを温めたりする手間はかかりますが、どれも簡単に食べられるものなので準備に時間をかけずに食べられます。
主食タイプの完全食には、後ほど紹介するBASE FOODが販売しているパンタイプの「BASE BREAD」、茹でるだけのパスタ「BASE PASTA」、カレータイプの「もがな完全栄養カレー」などがあります。
また、カップヌードルやチキンラーメンでおなじみの日清食品からも、「完全メシ」シリーズとして、完全食のカレーや麺類が販売されています。
間食タイプ
完全栄養食には、間食で栄養素を補えるものもあります。
普段食べているお菓子を完全栄養食に置き換えることで、間食を栄養価が高い健康的な習慣に変えられます。
種類もさまざまで、バータイプから、クッキーやグミ、チョコレート、アイスなど好みに応じて選ぶことができます。
健康的なおやつとして、ダイエット中の間食や育ち盛りの子どものおやつにもおすすめです。
「COMP(コンプ)」は日本発祥の完全食メーカーで、通常の粉末の完全食に加え、アイスタイプ、グミタイプの完全栄養食なども販売しています。
プレゼントにも最適なチョコレートの完全食を販売している「andew(アンジュ)」というお店もあります。
ドリンクタイプ
ドリンクタイプには、パウダーを溶かして飲むタイプや、スムージーなどがあります。
パウダータイプはプロテインのように水に溶かしてシェイクするだけなので、時間がない朝食や手軽に食事を済ませたいときにおすすめです。
メーカーによってさまざまなフレーバーが用意されており、自身で好みのアレンジもできるため、飽きずに続けやすいです。
粉末タイプは賞味期限も比較的長いので、災害時の非常食としても人気があります。
ドリンクタイプの完全栄養食を販売している会社は、イギリス製の完全栄養食のメーカーである「Huel」や、先ほど紹介したCOMPなどが知られています。
完全栄養食のメリットとは?
完全栄養食のメリットには、以下のようなものがあります。
- 簡単に栄養を補給できる
- ダイエット中の食事に向いている
- 食費の節約になる
- 食事の準備が簡単になる
- 持ち運びしやすい
簡単に栄養を補給できる
完全栄養食のメリットとして最初に挙げられるのは、手間がかからずバランスよく栄養を摂取できるという点です。
バランスの取れた食事を送るのは簡単なことではありません。仕事や家事、子育てに忙しい現代人は、食生活を改善したくてもなかなか実践できてない方も多いです。
完全栄養食を利用すれば、忙しくて料理や食事に時間を割けない方であっても、簡単に手軽に食生活の改善を図ることができます。
栄養をとるだけであれば、サプリメントでもいいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、完全栄養食がサプリメントと違うのは「どの栄養素をどれ位とればいいか」という知識がなくても栄養バランスを整えられることです。
完全食として栄養素の量が計算がされた商品は、それひとつで必要な栄養素の量と種類がバランスよく揃うので、栄養の知識がなくても安心して取り入れることができます。
ダイエット中の食事に向いている
完全栄養食をダイエット食として使う方もいます。
完全栄養食は不足しがちな栄養素は十分取れる一方、摂りすぎになりやすい糖質や脂質、塩分は控えになっているものが多く低カロリーです。
完全栄養食を食事に置き換えれば、カロリーは控えめに抑えながら必要な栄養素を補えます。
ダイエット中には食事を抜いてしまう方も多いですが、全く食べないと体に必要な栄養素も補給できず、健康的とは言えません。
カロリーが低く栄養素が豊富な完全栄養食を取り入れることで、無理なくダイエットに取り組むことができます。
食費の節約になる
完全栄養食の種類にもよりますが、1食あたり300円〜400円ほどのものが多いです。
たとえばBASE FOODで販売されているBASE BREADのプレーンタイプを公式サイトから定期購入すれば、1食2袋あたり350円(税込)です。
新生銀行「2022年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員の昼食代は623円、女性会社員は656円でした。
(参考:「2022年サラリーマンのお小遣い調査」https://www.sbigroup.co.jp/news/pr/pdf/2022/0627_b.pdf#page=3)
平均額と比較してみると、完全栄養食は価格が安く、会社員の昼食よりコストパフォーマンスが高いことがわかります。
ランチに外食を利用している方が昼食を完全栄養食に置き換えれば、食費を節約することができます。
食事の準備が簡単になる
完全栄養食は袋から出すだけ、水に溶かして飲むだけのものが多いです。
食事タイプのものでも、レトルトカレーやお湯を入れて温めるだけのもの、茹でるだけのパスタなど、調理や食事の後片付けも簡単です。
また、完全栄養食の公式サイトで定期購入をしていれば、買い物に行く必要もなくなります。
調理や買い物の時間が短縮できるため、手軽に食事の準備をしたい方におすすめです。
持ち運びしやすい
完全栄養食にはさまざまなタイプがあります。
BASE BREADなど1つ1つが梱包されているものは持ち運びに便利です。カバンに入れて学校や会社に持って行けば、栄養満点のお弁当がわりにも利用できます。
蓋を開けるだけのボトルドリンクタイプも手軽に持ち運びが可能です。
完全栄養食のデメリットとは?
次に、完全栄養食を利用するデメリットについても挙げてみました。
- 咀嚼をする回数が減る
- 食事の楽しみが減る
- 自炊するより高い
- 足りない栄養素がある
- 絶対に完全というわけではない
咀嚼する回数が減る
とくにドリンクタイプの完全栄養食を日々利用していると、食事の際に咀嚼をする回数が減ってしまいます。
咀嚼の回数が少なくなると、以下のような問題点が生じる可能性があります。
- 満腹感を感じづらくなる
-
咀嚼することで脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を得られます。
噛む回数が少ないと満腹に感じづらくなり、結果として食事の腹持ちが悪くなってしまいます。
間食や食べ過ぎの原因となる可能性があります。 - あごが弱くなる
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咀嚼回数が減ると、あごが弱ってしまい、堅い食べ物を食べにくくなってしまいます。
堅い食べ物を食べられなくなれば、ますます噛む力は弱っていきます。
また、咀嚼回数が減ると、食べ物を十分噛み砕けないまま飲み込むようになり、胃腸に負担をかけてしまいます。消化機能が衰える危険性があります。 - 認知症のリスク増加
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噛むことにより脳が刺激され、血行がよくなります。
血行が良くなることで、栄養と酸素が脳に供給され、脳が活性化されると言われています。
噛む力がなくなると、脳への刺激が少なくなってしまうため、認知症になるリスクが高くなる可能性があります。 - 虫歯や歯周病のリスク増大
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噛むことで、唾液の分泌が促され、虫歯や口臭の予防につながります。
咀嚼回数が減ってしまうと、虫歯や歯周病のリスクが増えてしまいます。
上記のことを踏まえ、パウダータイプやドリンクタイプの完全栄養食を使う場合は普段から噛む回数を増やす工夫が必要です。
食事の楽しみが減る
とくにドリンクタイプの完全栄養食を利用していると、食事をしている感覚が薄くなってしまいます。
さらに、食事にほとんど時間がかからないため、食事中の他者とのコミュニケーションも少なくなります。
食事には栄養補給する役割だけでなく、食事自体を楽しんで、周りとの交流を楽しむ役割もあると言われています。
完全栄養食での食事では、その役割を果たすことができなくなる場合があります。
栄養を補うことは必要ですが、毎日同じような味が続くと食事の楽しみが減り、物足りなさを感じてしまいます。
おいしく味わうことで幸福感を得るのも大切なことです。
日々の食事と完全栄養食を上手に組み合わせて活用しましょう。
自炊するより高い
完全栄養食は外食より安いですが、食事を自炊して食べるよりは高いです。
たとえばBASE FOODで販売されているBASE BREADのプレーンタイプを公式サイトから定期購入すれば、1食2袋あたり350円(税込)です。家族4人がそれぞれ1食分のBASE BREADを食べた場合、1食に1,400円かかります。
生活スタイルにもよりますが、完全栄養食を利用するのは自炊をして食べるよりも高くなります。
足りない栄養素がある
栄養バランスが整っている完全栄養食ですが、栄養が偏ってしまうこともあります。
たとえば、BASE BREADのプレーン味の栄養素を栄養素等表示基準値(18才以上、基準熱量2,200kcal)に基づき、1日分の基準値の1/3を1食分とした場合と比較したグラフは以下の通りです。
脂質、飽和脂肪酸、炭水化物、ナトリウムが足りてないことがわかります。
また、完全栄養食の中にはダイエット向きに作られているものもあり、カロリーを減らして作られているものもあります。
裏を返せば、3食すべて完全食にするとエネルギー不足になってしまう可能性があります。
完全栄養食で1日の全ての食事を賄おうとするのはやめておきましょう。
さまざまな食材を使った食事も取りつつ、適度に完全栄養食を生活に取り入れることをおすすめします。
絶対に完全というわけではない
完全栄養食は、「現代の栄養学」において、人の体に必要とされている栄養素を含んでいます。
しかし、その根拠となっている現代の栄養学を完全に信じて良いのかは疑問が残ります。
自然界の食物や体の仕組みの全てを科学的に解明できているわけではないからです。
完全栄養食の歴史は浅く、栄養素の吸収率が同じではないかもしれない、不十分な栄養素があるかもしれない、などのリスクも考えられます。
今後、完全栄養食を摂取する事によるなにかしらの問題が生じる可能性が全くないとは言えません。
繰り返しにはなりますが、3食全て完全栄養食に置き換えるのはやめておきましょう。
人気の完全栄養食BASE FOODとは
食べやすくて美味しいと話題になっている完全栄養食「BASE FOOD」について紹介します。
BASE FOODは、主食タイプの完全食を販売しています。食事の楽しさを残しつつ完全食を取り入れたい人には非常におすすめです。
BASE FOODの製品には、たんぱく質や食物繊維、26種類のビタミン、ミネラルなど、1食に必要な33種類の栄養素をすべて摂取することができると謳われています。
特にたんぱく質が豊富に含まれており、筋トレ中の方にも人気です。
全粒粉や大豆、チアシードなど厳選した10種類以上の原材料を使用し、主食でありながらも、一般的なパンやパスタに比べて糖質は低めになっています。
また、すべての商品に合成着色料、合成保存料が一切使用されていません。
BASE FOODの主な商品
BASE FOODの主な紹介します。(2023年3月時点の情報です)
BASE FOODの主な商品は、以下の3種類です。
- BASE BREAD
- BASE PASTA
- BASE Cookies
BASE BREADは手軽に食べられるパンの完全栄養食
BASE BREADはパンタイプの完全食です。手軽に摂取できるうえ、完全食の中ではトップクラスに美味しいと話題の製品です。
- ミニ食パン
- プレーン
- チョコレート
- メープル
- シナモン(2023年4月18日〜販売開始予定)
- カレー
上記の6種類の味と種類があり、好みに合わせて選べます。ギッチリ詰まったモチモチとした食感のパンで、食べ応えがあります。
個包装になっており、外出先にも持ち運びやすいです。
調理不要で袋を開けたらすぐに食べられる手軽さから、一人暮らしや子育て世代など、幅広く利用されています。
また、1食分の栄養素を摂取するには2袋食べるように設定されています。2袋分食べれば1日に必要な栄養素の3分の1の量を摂取できます。
パスタの完全栄養食BASE PASTA
BASE PASTAはパスタタイプの完全食です。原材料に大豆粉、全粒粉、海藻粉末、アマニ油など健康的な食材が使われている生パスタです。
- フェットチーネ
- アジアン
- ボロネーゼ(冷凍)
上記の種類があり、それぞれ食感と麺の太さが異なります。
フェットチーネは太麺で、とろみのあるソースを敢えて食べる食べ方に向いています。アジアンは使われる中華麺のような細麺タイプで、アレンジしやすいパスタです。
冷凍タイプのボロネーゼは、電子レンジで温めるだけで簡単に食べられます。
手軽に食べれるBASE Cookies
BASE Cookiesはクッキータイプの完全食です。一つひとつが小さめで、袋から出してすぐに食べられるので間食に向いています。
- ココア
- アールグレイ
- 抹茶
- ココナッツ
- さつまいも
上記5種類の味が楽しめます。
ちなみに、BASE Cookiesは4袋で1日に必要な栄養素の3分の1を満たすことができます。
BASE FOODの最安購入方法は?
BASE FOODは、完全栄養食の中では比較的低価格です。初めて完全栄養食を試してみたいという方にも非常におすすめです。
BASE FOODの商品は一部コンビニエンスストアや、Amazon、楽天でも販売されています。一度だけ試してみたい、という方は、それらを利用するのもおすすめです。
最安で購入したい場合は、公式サイトから継続コースで購入しましょう。
1回あたり2,400円(税込)以上の注文で購入することができます。継続コースで購入すると、購入金額の10%引きになります。
なお、継続コースでは継続の最低回数の決まりはありません。
BASE BREADには6種類の味があり、それぞれ価格が異なります。最も安いのはプレーンタイプで、1食2袋あたり350円(税込)です。
BASE PASTAの生パスタは2種類ありますが、どちらも同じ価格設定です。1食あたり351円(税込)で購入できます。冷凍パスタのボロネーゼは1食あたり680円(税込)です。
BASE Cookiesは1袋あたり153円(税込)で購入できます。
まとめ:完全栄養食を賢く活用しよう
今回は、「完全栄養食」について、そのメリットデメリットをまとめました。
必要な栄養素を手軽にバランス摂ることのできる完全栄養食は、忙しい現代人にとって非常に魅力的な選択肢です。
あくまで普段の食事をベースにした上で、賢く生活に取り入れてみてくださいね。