ワークスタイルが多様化した現在、副業で収入を多くしたいと考え、実行した方も多いのではないでしょうか。
然しながら、副業を制限している企業の方が多いのが現状であり、人目に触れないように副業している方にとっては、会社に知られることは何としても避けたいとお悩みかと思います。
そのような悩みを抱える方に「なぜ副業がバレるのか」と、「会社に知られずに確定申告する方法」をご紹介します。
会社に隠れて副業をすると、懲戒解雇となる場合があるので気を付けてください。
副業がバレる理由
副業がバレる理由には、次のようなものが見受けられます。
副収入が見られると、住民税の額に変化があるのでバレる
住民税の額というのは、それぞれの企業が前年の給与支払報告書を当年1月末までに自治体して確定します。
自治体は当該の給与額から算出した住民税額を企業側に通達し、各企業は住民税納付に必要な金額を給与から天引きします。
勤務先が複数ある場合には、自治体は給与を最も多く支払っている会社に総額の住民税支払いを求めます。
従って、本業以外に副業で収入(所得)が増加した場合には、本業の給与に当てはまる住民税より高い金額の通知が自治体から届くため、会社は社員が給与以外の収入があることを知ることになります。
これが会社に副業がバレる、最も多い原因です。
会社にバレないように確定申告する方法
副業の収入が20万円を越えている人に関しては、基本的には確定申告をすることが必要です。
確定申告の方法により、会社に副業が把握されてしまうことが考えられますので、副業を会社に気付かれたくない方は、確定申告書の記入の仕方に留意しましょう。
副業の所得をチェック
コンビニやレストラン等々でアルバイトした際に支払われるお金は、給与所得です。一方で、原稿料や講演料、アフィリエイト等々で支払われるお金は雑所得です。
給与所得のケースでは、確定申告を行なうことで払い過ぎた税金を取り戻せることがあり得ます。雑所得のケースでは、必要経費が認定されるので、なんといっても確定申告を行なうことで税金の負担を軽減できるかもしれません。
給与所得:コンビニエンスストア、居酒屋、レストランのバイト
事業所得、雑所得:アフィリエイト、クラウドソーシング、UBER EATSのドライバーなど
不動産所得:家賃収入
譲渡所得、配当所得:株式投資等(※NISAは原則として確定申告が不要です。)
雑所得:FX取引、仮想通貨の取引等
副業分の住民税を自分で払う
副業による収入が20万を超えた場合に確定申告を行なうと、会社で支払われる給与とトータルされて次の年の住民税に反映されます。
そのまま会社に住民税額が通知された場合には、本業の会社に副業で収入を得ていることを知られる可能性があります。
もし、副業の収入を会社に感づかれたくない際には、確定申告書Bの住民税関連の事項の欄において、自分で交付に○を付けましょう。
(所得税及び復興特別所得税の確定申告書B)
このようにすることで、副業による収入(=雑所得)関連の住民税の通知が自宅に到着することになるので、その分は自分自身で納付することになり、副業を会社に知られずに済みます。
稀に自治体が間違えて会社に送付することがあるらしいです。
これは防ぎようがないので、自治体がミスしないことを願うばかりです…
税金の還付を得る方法
副業で支払われたお金が「給与所得」のケース
給与で支払われた時点では、所得税が源泉徴収されているケースがほとんどです。
こちらの源泉徴収された税金に関しては、必要経費を控除する前の支払額をベースとして算出されていますので、確定申告の際に経費を申告すれば税金が還付されることがあります。
他にも、事業所得で赤字が発生した場合には、給与所得との合計額で所得税額が算出されるため、給与所得の黒字と事業所得の赤字が相殺され、源泉徴収された税金の還付を受けることが可能です。
副業で支払われたお金が雑所得のケース
雑所得においては、必要経費が承認されます。一口に言うと、当該の収入を得るためにかかった経費を差し引くことができるということなのです。
原稿料を例とすると、当該の原稿を書く為に買いつけた書籍代や、商談の費用、交通費等が必要経費になるので、確定申告の際には経費分を差し引いた利益を申告します。
こちらの経費を収入から差し引いたことで収入が20万円以下になったケースでは、確定申告を行なわなくても良いです。ところが、副業による収入がずっと前から源泉徴収されている場合においては、20万円以下でも確定申告をした方が得をするケースがあります。
副業禁止の会社でも副収入を得る方法
これからの時代、勤務先以外からの副収入を手に入れたいと思ってはいても、副業はさすがに・・・と悩んでいる方には、以下のような副業と見なされにくい方法をご紹介します。
個人の資産運用で収益を挙げる
株や外貨投資、保険だったり、個人での資産運用は副業とは見なされません。近頃、NISAやidecoなど利益にある程度の非課税枠があって、少ない額からスタートすることができる投資も存在して、個人でお手間を取らせず実行されやすく、副収入を得る方法として人気が高いです。
不要な品をフリマやインターネットオークションで売り出して収益を挙げる
家にある不要な品をフリーマーケットやインターネットオークション、アプリを通じて売り払う事は、事業性は存在しないので副業とは見なされません。また、生活用動産の処分で手に入れた収入は確定申告も必要ではありません。
趣味の延長として収益を挙げる
手作りのアクセサリーや雑貨、お菓子などを売り出すのは、個人の趣味の延長で、副業とは見なされない事がほとんどでしょう。
副業しようと思うなら、副業可の会社に職を変えるのも一つの手
少し前から、副業OKという会社も増加中です。フリーランス、自営業ではOK、務めるなら週**時間以内で、同業の他社を回避していれば問題ないなど、条件は会社毎に色々なので、自分自身のお望み通りのワークスタイルに合う会社があるのなら、転職という選択の幅を熟慮してみるという方法もありかもしれません。
まとめ
一般的になりつつある「副業」ですが、残念ながら社会のルールは追いついておらず、労務管理の面などから企業での全面解禁も程遠い状況です。
ですが、会社に頼らない収入源を持ちたいという人が増えていることも、また事実です。
副業によって収入が増えることは大きなメリットですが、確定申告の手間や帳簿管理や経費の証跡(レシート、領収書など)の管理などが必要になります。
確定申告にお悩みの方は、他の記事も是非ご参照ください。