入学式直前の時期は、転勤の辞令が出る季節でもあります。そのため、入学式直前に引っ越しの予定が入ってしまうご家庭もあるのではないでしょうか。
入学式直前は入学準備だけでも忙しいのが現状です。それに加えて引っ越しが重なると、さらに忙しくなるので慌ててしまいますよね。
入学式直前に引っ越しが決まっても、順序よく落ち着いて行動すれば大丈夫です。
この記事では入学式直前の引っ越しの際に必要な手続きや疑問、やるべきことやコツを紹介します。
安心して入学式を迎えられるように、ぜひ参考にしてください。
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小学校の入学変更手続きのリミットはいつ?
入学変更手続きのリミット、期日というものは存在しません。
しかし引っ越しが4月上旬になってしまう場合は、入学に必要な「就学通知書」(転入学通知書)が郵送では間に合わないため、引っ越し先の教育委員会で直接手渡しとなることが多いようです。
本来であれば、就学通知書の郵送に間に合う時期までに引っ越しするのがベストですが、そうもいかない場合は、まず引っ越し先の教育委員会に連絡が必要です。
とはいえ手続きや連絡先は何カ所かあるため、どうしたらよいのか迷ってしまう人がほとんどかと思います。慌ててしまうと手順を間違えて無駄足を運んでしまうこともあるため、落ち着いて行動することが大切です。
以下の章で順を追って必要な手続きを紹介しますので、参考にしてくださいね。
入学式直前に引っ越しする場合にやることは4つ
入学式直前の引っ越しが決まったら、やることは大きく分けて4つあります。
やることは以下の順におこなうと、スムーズにできますよ。
- 引っ越し先を決める
- 引っ越し先の教育委員会へ連絡
- 引っ越し先の小学校へ連絡
- 今住んでいる地域の教育委員会及び小学校へ連絡
具体的に見てみましょう。
1.引っ越し先を決める
まずは住む場所をはっきりと決めることからスタートします。理由は、住む場所によって学区が異なるためです。
住所が分からない状態で連絡しても学区が決められないため、手続きが進められないのです。
しかし、学校の児童数などを事前に把握しておきたい場合は、前もって連絡しても無駄ではありません。教育委員会では、市区町村内で共通に用意しておくべき物などを教えてくれるはずです。
そのため、はっきりした住所がわかるまでに時間がかかりそうな場合は、とりあえず連絡しておくのもひとつの手です。
また、はっきりした引っ越し先が決まっていないのであれば、なるべく通学距離が短い場所に住むことをおすすめします。
慣れない土地で、いきなり長い距離を通うのは子どもにとって心細いはずです。選ぶ余地がある場合は学校の近くに絞って住む場所を探してあげると、子どもが安心できますよ。
市区町村によっては学校が近くでも、学区の区割りの都合によって遠くの学校に入学となることもあります。住む場所を絞り込んだ時点で、学区もしっかり確認しましょう。
また、建築中の新居の引き渡しが間に合わない、引っ越し業者の都合で引っ越しが間に合わない、などの理由のケースは後ほど解説いたします。
2.引っ越し先の教育委員会へ連絡
引っ越しの住所がわかったら、市区町村の教育委員会へ連絡します。
入学する小学校がはっきりとわかった時点で、教育委員会から「就学通知書」(転入学通知書)が発行されます。
通常であれば就学通知書は1〜2月には郵送されてきますが、直前の場合は郵送を待っている日にちの余裕がない場合もあります。
日にちに余裕がない場合は、直接手渡しになることもあるので確認して指示に従うようにしましょう。
3.引っ越し先の小学校へ連絡
通い始める小学校へ連絡してから、教育委員会で発行された通学通知書を持って来校します。連絡すると来校日時や持ち物などを案内されるので、指示されたものを持っていきましょう。
意外に盲点なのは、就学時健康診断の結果通知書が必要なケースがあることです。入学前に提出する資料として必要な場合があるので、なくさずに取っておくよう心がけます。
入学式直前に引っ越す場合は、新しい小学校での入学説明会や就学時健康診断などが受けられないはずです。
今まで住んでいた地域で就学時健康診断を受けた場合は、結果が郵送で送られて来ているはずですので、念のため持参しましょう。
来校時には、先生から入学のための資料や説明をお話ししてくれます。説明時間に余裕のある予定を入れて、メモが取れる用意をしてから来校できると良いですね。
来校時に子どもが一緒に行けるのであれば、一緒に行くことをおすすめします。学校の様子や先生の様子など、子どもが前もってわかるため、安心して入学式を迎えられるはずです。
4.今住んでいる地域の教育委員会・小学校へ連絡
今住んでいる地域の小学校へ連絡して、入学通知書が来ている小学校への入学はできない旨を伝えます。
小学校によっては児童数の増減でクラス編成が変わることもあるため、なるべく早めの連絡が望ましいです。
入学に備えて子どもの教材や席の準備があるため、引っ越し先の小学校へ連絡するタイミングか、それより早く連絡しましょう。
就学時健康診断・入学説明会に出られなくても入学できる
通いはじめる小学校で、就学時健康診断や入学説明会に参加しなくては入学できないのかといいますと、そうではありません。
しかし、夏ごろに受けた就学時健康診断の結果は、就学通知書を学校へ持っていく際に持参する必要があるかもしれません。検診結果が郵送されてきたら、大切に保管しましょう。
また転勤などが多い地域では学校側が慣れている、といった声も聞かれます。慌てずに学校の指示をしっかり聞いて、落ち着いて手続きを進めていきましょう。
学童保育は入れない可能性がある
学童保育は11月頃に説明会と募集があります。募集と同時に定員が埋まってしまうところも多く、希望通りの学童保育への入所申し込みが間に合わない場合もあります。
もし市区町村だけでも事前に引っ越し先が分かる場合は、空き状況や受け入れの小学校区などを調べられるかもしれません。
事前に状況だけでも把握できると、引っ越し先が決まっていない場合でも学校や学童保育に合わせて引っ越す、という手段を取ることも可能です。
引っ越しが入学式に間に合わないときの対処方法
入学式前ギリギリに引っ越しできそう、と思っていても、住居の引き渡しが遅れてしまった、引っ越し業者が埋まっていて希望日に転居できない、ということもあります。
そのような場合は、どうしたら良いのでしょうか。
対処方法は以下の2つがあります。
- 引っ越し先の学校へ入学式から通う
- 現在の学校へ通ってから転校する
具体的な内容は以下に載せますが、一番大切なのは学校へ通う子どもに合った方法を取ることです。性格や環境によってどちらがベストか異なりますので、よく考えてから決めましょう。
引っ越し先の学校へ入学式から通う
引っ越しはまだしていないけれど、引っ越した後の小学校へ入学するケースです。
この場合は建築確認通知書や賃貸売買契約書などの、転居が確実におこなわれる書類の提出を求められます。市区町村の教育委員会へこれらの書類を持参して、就学通知書を発行してもらいます。
引っ越しする前に学区外の小学校へ通う場合には、親が学校、もしくは登校班の集合場所まで親が送迎するといったことが条件になることがほとんどです。
同じ市区町村であればさほど負担にはならないかもしれませんが、遠方から通うとなると数日から1カ月が限度ではないかと思われます。
お金はかかってしまいますが数日間はホテル住まい、という選択肢も出てくるかもしれません。
引っ越し先の学校に引っ越す前から通う場合は、登下校時に親子の負担がどれくらいかかるのかをよく考える必要があります。
現在の学校へ通ってから転校する
まずは現在住まいのある学区の学校に入学してから、転校する方法です。
確実に引っ越しの日が決まってから手続きできるので、気持ちの余裕は生まれやすいです。
しかし、準備した体操服などは学校が変わるときに全て買い替えとなります。
また、友達ができてもすぐに転校となるため、子どもの負担が大きい可能性もあります。
入学式より数カ月以上引っ越しが先送りされるような場合は、通学の負担が大きくなるため、入学後に転校する方法を取る人が多いようです。
親子でできる手続き以外の準備
入学式直前に引っ越しが決まると、事務手続きや荷作りなどで目が回るような忙しさになってしまうかもしれません。そのような状況でも、子どもの気持ちや様子は大切にしたいものです。
ここでは引っ越してすぐに安心して生活を送れるように、親子でできることを紹介します。引っ越しを不安に思っている子どもに寄り添う方法なので、ぜひ参考にしてくださいね。
通学路の確認
引っ越し先から学校まで、実際に親子で歩いて通学路を確認することをおすすめします。
歩道の有無や交通量なども確認します。その際に親子で交通安全の話をしながら歩くのも良いですね。
ほかには通学途中に、高いブロック塀があるかなども確認できるとベストです。古い住宅のブロック塀は、地震の際に崩れることもあり大変危険です。
地震があったらブロック塀からは離れるように教えてあげられると、子どもの身を守れます。
また、具体的に引っ越し先が決まっていなくても、学校の周りを歩くと引っ越してから安心できます。
学校の周りを歩くことで、住環境などを前もって知ることができるので、やっておいて損はありません。親子一緒にちょっとした探検の気分で、楽しみながら歩きましょう。
近所の公園で遊ぶ
引っ越し先の公園で遊ぶと、放課後や休みの日のイメージもつかみやすくなります。そのため、ネガティブになりがちな子どもの気持ちを、上向けることが可能です。
また、近所の小学生が遊びに来ることもありますので、積極的にかかわることをおすすめします。
学年が近い子であれば親御さんも一緒かもしれません。学校や子供会、近所に子どもはどれくらいいるのか、など挙げればきりがありませんが、情報収集する最大のチャンスだともいえます。
また公園の様子から、治安の良し悪しがある程度把握できる可能性もあります。落書きやタバコのポイ捨てなども参考になりますので、近所の公園へ行ってみることをおすすめします。
子どもへの声掛けに気をつける
引っ越し前の子どもは、不安な気持ちで一杯になっています。入学式を目前に控えていればなおさらではないでしょうか。
子どもの様子を見て元気がないな、と親が感じると「こんなんじゃ小学生になれないよ!」などと発破をかけてしまうかもしれません。
しかし発破をかけることは、子どもによっては逆効果になってしまうこともあります。
励ましの言葉が、脅しとしてとらえられてしまうと、ますます子どもはふさぎ込んでしまいます。
子どもが引っ越しや入学を不安に思っているようであれば、まずは子どもの成長を具体的に褒めるのはいかがでしょうか。
つまり「何年か前に比べてあんなことができるようになったね!すごいね」などといった声掛けです。具体的には以下のようなものがあります。
- 身長が伸びて体重が増えた
- 洋服の裾をはみ出さずしまえるようになった
- 嫌だった病院に行っても泣かなくなった
- 朝起きるときのグズグズが減った など
今は当たり前のことでも、何年か前にはできなくて苦労された親御さんも多いかと思います。
大きくなったら当たり前にできる子どもの行動は、できないと注意しますが、できるようになっても褒められることはなかなかありません。
当たり前のことは気づきにくいものですが、子どもは当たり前のことでもできるようになったことを認めてほしい、と思っているはずです。
子どもが不安を抱えているときは、励ましの言葉の前に、できるようになったことを具体的に褒めてあげると良いのではないでしょうか。
子どもの気持ちに寄り添う
声掛けに近いことですが、「心配だよね。わかるよ」など、気持ちを共有しながら子どもに寄り添う方法です。
勇気を出して「ちょっと怖いんだ」と子どもが親に伝えても、「しっかりしなさい!」と返されたら、子どもは気持ちを伝えられなくなってしまいます。
不安にしている様子が子どもにみられたら、「わかるよ」と共感してあげましょう。共感することで、子どもが不安に思っているのは自分だけではない、と安心できます。
また不安に共感した後は、不安を少しでも解消するために、引っ越し先の探検や学校へ行ってみるのもよいかもしれません。
不安は「わからない」ことから生まれる、と言われます。つまり、わからないことを減らしてあげると、不安が徐々に解消されるということです。
また、入学式まで時間がない、と焦った気分で毎日過ごしていると、親も気持ちに余裕が持てなくなってしまいます。親が不安な気持ちでいると、子どもにも不安が伝わってしまうこともあります。
子どもに不安をうつさないためにも、大人はなるべく「大丈夫!なんとかなる!」と大きく構えるようにしましょう。
入学式直前の引っ越しは大変!一つずつこなして新生活を迎えよう
入学式直前の引っ越しは手続きに時間の余裕がないため、慌ててしまいがちです。さらに説明会に参加できない、新しい環境になじめるのかといった不安要素もたくさんあります。
しかし不安要素がある状態では、子どもの入学式を笑顔で迎えることは難しくなってしまいます。
子どもの不安を和らげるために、親は大きく構える、一つずつ確実に手続きを進めることを心がけると安心して新生活を迎えられるはずです。
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