小学生が親元を離れて活動するサマーキャンプ。
飯ごう炊さんやカヌーなどのアウトドアアクティビティをメインとしたもののほかに、イングリッシュキャンプというものがあります。
「イングリッシュキャンプという名前は聞いたことがあるけれど、内容はよくわからない」
「英語を習い始めたばかりだから、うちの子は無理かも」
そのようにお考えの親御さんもいるかもしれません。
イングリッシュキャンプは英語を話しながらおこなうサマーキャンプで、さまざまなレベルに合わせた内容が組まれています。
この記事では、サマーキャンプのなかでもイングリッシュキャンプについて解説します。
イングリッシュキャンプとは
イングリッシュキャンプとは、日常会話を英語でおこないながら、さまざまなアクティビティをおこなう宿泊型キャンプのことです。日本国内でおこなうコースと、外国で短期留学のようにおこなうコースがあります。
英語の能力を高めるほかに、国際感覚を養う目的もイングリッシュキャンプには備わっています。
アクティビティの内容は、通常のサマーキャンプなどと変わらない内容がほとんどですが、違う点は共通言語が英語であることです。
英語に触れさせたいけれどうちの子はまだ早いかな、という親御さんがいるかもしれませんが、英語を習い始めたばかりの子でも受け入れてくれるキャンプもあります。
なかには、外国生活が長かったけれど英語を忘れないために参加したい、というケースもあります。そのような子でも外国にいる感覚で参加できる特徴があります。
イングリッシュキャンプは、子どもの英会話レベルによってクラスが分かれています。そのため子どもの英会話レベルに合ったクラスを選ぶことが大切です。
イングリッシュキャンプに参加するメリット
イングリッシュキャンプに参加するメリットは、英語の能力がアップすることと、国際感覚を養うことができることです。
日常会話を英語でおこなうため、口から自然に英語が出るようになります。また、子ども同士で知っている単語や言い回しなどを教えあうため、切磋琢磨できるのもポイントです。
アクティビティのなかには英語を使ったゲームもあるため、遊びながら英語を学べる環境が備わっていることも特徴です。
キャンプによっては同世代の外国人の子と一緒になることもあります。子ども同士遊びながら交流することで、普段使いの英会話を外国にいるように体験・吸収できます。
イングリッシュキャンプの講師は外国人であることがほとんどです。普段の英語のレッスンは日本人講師だという子も、イングリッシュキャンプに参加するとネイティブスピーカーと話せます。このようにネイティブの英語に触れられるメリットもあります。
また、外国人慣れしていない子でも一緒にアクティビティをこなすことで、外国人への怖さもなくなるはずです。英会話と一緒に外国の文化を学べるイングリッシュキャンプは、英語の能力を高めるとともに国際感覚も養えます。
イングリッシュキャンプの選び方
イングリッシュキャンプに参加するメリットはお分かりいただけたと思います。しかし何をポイントにして、参加するキャンプを選んだらよいのか迷ってしまうかもしれません。
イングリッシュキャンプは、以下の4点をポイントにすると参加する子どもが有意義に過ごせるはずです。
- 英語のレベル
- 年齢
- キャンプの場所
- 連泊の日数
では、具体的に見てみましょう。
英語のレベル
最も大切なのは、アクティビティの内容と英語のレベルで参加するイングリッシュキャンプを決めることです。レベルが合っていないと「（レベルが低くて）つまらない」「（レベルが高くて）ついていけない」ケースが出てきます。
またキャンプの内容によっては、危険を知らせる言語も英語で指示されます。水のアクティビティなどは特に危険が伴うため、何を言っているのかわからない状態は絶対に避けるべきです。
イングリッシュキャンプで英語能力をレベルアップさせたい、と子どものレベル以上に飛躍したコース選択は身の危険を回避できない恐れも生じます。そのため、現在のレベルを確認しておくことが大切です。
小学生のイングリッシュキャンプは、レクリエーションをメインとしていることがほとんどです。楽しみながら英語に触れて能力を伸ばすことが目的となりますので、短期集中で英語だけのレベルを上げたいのであれば、レクリエーションアクティビティがないものを選択しましょう。
また、子どもの英語レベルを親が把握できない場合もあるかもしれません。英語のレッスンを普段から受けているようであれば、講師にイングリッシュキャンプに参加することを伝え、レベルを相談するのがベストです。
年齢
イングリッシュキャンプは、未就学児から高校生まで幅広い年代が設定されています。
小学生で参加させたいと思っているのであれば、年齢の幅が少ない小学生限定、もしくは低学年や高学年と学年別にわかれているイングリッシュキャンプがおすすめです。
年齢が近ければ学校のことや住んでいる地域のことなど、似たような視点で会話できます。自分だけ取り残されている、と感じないためにも、年齢が近い子どもだけのイングリッシュキャンプに参加させましょう。
キャンプの場所
キャンプの場所によっては、飛行機で移動するほどの距離でイングリッシュキャンプをおこなうものもあります。
移動時間が長いとそれだけで疲れてしまう、乗り物酔いがひどく薬を飲ませても心配、という場合は、家の近くで開催されるイングリッシュキャンプの参加がおすすめです。
また、キャンプの場所はアクティビティの内容によっても異なります。アクティビティの内容を見て、「やりたい」と思えるものとキャンプの場所がバランスの良いものを選ぶと、体調を崩すなどのリスクが減らせますよ。
連泊の日数
親元を離れて数日間参加できるのか、心配に感じる親御さんもいるかもしれません。
イングリッシュキャンプや、アウトドアメインのサマーキャンプに参加したことがない子どもであれば、なおさらではないでしょうか。
宿泊をともなった活動が初めて、もしくは慣れていないのであれば、日帰り、もしくは1泊のイングリッシュキャンプに参加してみましょう。
子どもの性格によりますが、親元を離れることで極度の恐怖を感じる子もいます。良質な体験も気持ちがふさぎ込んでしまっては、子どももつらい思いをしてしまいます。子どもに無理のない範囲で、宿泊の日数を設定するようにしましょう。
イングリッシュキャンプの1日の流れ
宿泊を伴うイングリッシュキャンプの一例を見てみましょう。
1日目
- 集合
- 午前のアクティビティ（自己紹介・軽いゲーム・午後に使う英語の練習）
- 昼食
- 午後のアクティビティ（水遊び・カヌー・ハイキングなど）
- 夕食
- 夜のアクティビティ（キャンプファイヤー・英語を使ったゲーム）
- 風呂
- 消灯
2日目
- 起床
- 朝食
- 午前のアクティビティ（キャンプの感想提出）
- 解散
宿泊数や運営会社によって内容が大きく異なりますが、上記のようなスケジュールを組むことが多いようです。一般的なサマーキャンプと異なることは、全ての行動や会話が英語であるということです。
名前や出身地、好きな食べ物などを自己紹介で伝えるのも英語でおこないます。名札も英語（ローマ字）で記入し、お互いを下の名前で呼び合います。
レベルによっても自己紹介の内容は異なり、初心者であれば名前だけにとどめることもあるようです。初心者の場合は、自己紹介の言い方なども優しく教えてくれますよ。午前中は英語を使って軽くゲームをしたり、午後に使う英語を簡単に学習したりします。
午後や次の日のアクティビティは水遊びや川遊びなどをおこないます。カヌーやラフティングなどが組み込まれる場合もあるようです。水遊び以外ではハイキングや登山、オリエンテーリングなどのレクリエーションがアクティビティになることもあります。
アクティビティの途中でも声がけは英語。生き物の名前なども、講師から英語で教えてもらえます。身体を動かしながら自然に英単語が身につけられることも、イングリッシュキャンプの魅力です。
夜はキャンプファイヤーやゲームなどをして過ごします。ここでも英語を使ったゲームがメインとなります。
上級者向けのクラスになると、アクティビティの時間を英語の学習に充てることもあります。英語で自分の意見を言えるようになるトレーニングなどをおこなうため、繰り返し参加することで、国際社会の一員を目指すことも可能です。
キャンプの最後はキャンプを振り返ってどのようなことを感じたか、どのように行動すればよかったかなどを紙に書いてまとめます。
その際もクラスによっては、可能な範囲で自分の感想を英語で書きます。キャンプを振り返ったあとは解散となります。
イングリッシュキャンプの費用
国内のイングリッシュキャンプは、どれくらいの費用で参加できるのでしょうか。
下記に一例を挙げましたので見てみましょう。
| 宿泊数 | 金額 |
| 3泊4日 | 99,950円～ |
| 4泊5日 | 105,000円～ |
イングリッシュキャンプの費用は、内容や宿泊数、滞在先によって金額が大きく変わります。
費用に交通費が含まれているかどうかによっても変わりますので、前もって確認が必要です。キャンプによっては現地集合の場合もあり、その際は保護者が現地まで送迎する必要も出てきます。
大人の交通費がかかることもありますので、キャンプ費用の内訳は交通費までしっかり計算しておきましょう。
英語に自信がない子でも参加できるの？
イングリッシュキャンプは、英語に自信がない子でも参加できます。なかにはアルファベットが書ければOKとしているキャンプもあるほどです。
イングリッシュキャンプは英語レベルが分かれていて、「英語に触れる」ことをメインの目的としているものも存在します。
参加する子のなかには、英語に触れて英語の苦手意識を無くしたいと思っている子もいれば、外国人のお友達がほしい！と考えている子もいます。
このようにイングリッシュキャンプに参加する目的は、子どもによってさまざまです。
英語に自信がなくても大丈夫。英語で楽しく過ごしたい、と思っている子なら誰でもイングリッシュキャンプに参加できます。
国内イングリッシュキャンプおすすめ3選
イングリッシュアドベンチャー
| 泊数 | 4泊5日 |
| 金額 | 105,700円～ |
| 場所 | 新潟県津南町 |
| 集合場所 | 東京・名古屋・大阪など |
※上記は2022年の実績です。開催場所や金額は変更になることがあります。
イングリッシュアドベンチャーのイングリッシュキャンプは、美しい山の自然に囲まれた場所でおこないます。なかでも湖のアクティビティが人気で、子ども達も大興奮。楽しい時間を過ごせます。
イングリッシュアドベンチャーは、対象学年やレベルが申し込みの時点で細かく分かれており、参加レベルと子どものレベルがかけ離れないのがポイントです。
そのため、初心者から帰国子女までと受け入れ態勢の幅が広いのも特徴です。
講師は外国人ですが、英語が初心者のグループにはバイリンガルの講師がつくため、英語で話した後に日本語で補足もしてくれます。朝の会や夜のゲームなどの掛け声は全て英語ですが、簡単な単語ばかり。繰り返し使うことですぐに身につけられます。
キッズエクスプレス
| 泊数 | 4泊5日 |
| 金額 | 120,000～125,000円 |
| 場所 | 長野県白馬村・香川県直島町 |
| 集合場所 | 現地 |
※上記は2022年の実績です。開催場所や金額は変更になることがあります。
キッズエクスプレスは、体験を通じて成長を目指すイングリッシュキャンプです。異文化交流を図ることで自他を認め心の成長を促していくことを目標としています。
アクティビティは森の中。木々の間を散策し、生き物に触れながら英単語やフレーズなどを自然に学んでいきます。
講師は英語がネイティブの外国人ですが、水のアクティビティなど危険が想定される場面は非ネイティブで日本語がわかるスタッフが同行します。
アルファベットが書ければ参加OKなので、初心者レベルでも安心して参加できるのがポイントです。まずは机で英語を勉強してから自然体験のアクティビティで生かす、という流れで英語を学ぶので、身についた英語表現ができるようになります。
ISA
| 泊数 | 3泊4日 |
| 金額 | 108,000～248,000円 |
| 場所 | 沖縄県那覇市 |
| 集合場所 | 羽田空港・伊丹空港・那覇空港 |
※上記は2023年の募集予定内容です。開催場所や金額は変更になることがあります。
ISAはホームステイや留学をメインにした教育旅行の専門会社。そのため、ISAの特徴はイングリッシュキャンプにホームステイ体験が含まれていることです。
ホームステイさせてみたいけれど外国へ行くのはハードルが高い、と考えているご家庭にはピッタリですね。
内容は沖縄の観光地を巡るなど楽しみながら英語を学び、ホストファミリーの自宅に泊るというもの。家族の一員としてホストファミリーと1日中一緒に行動する日も設けられています。
ホストファミリーと過ごす日は、何をして過ごすかは家庭によってさまざまです。ボーリングへ出かけることもあれば、家の中でゲームなどをすることもあるようです。
また、ISAでは夏休み以外に春休みなどにも、宿泊を伴ったイングリッシュキャンプをおこなっています。長期間の留学に興味はあるけれど、雰囲気だけでも確かめたいとお考えの家庭にもおすすめです。
小学生のイングリッシュキャンプで英語力を伸ばそう！
小学生を対象にしたイングリッシュキャンプは、楽しく英語に触れることを目的としたものがほとんどです。なかには集中的に英語を学ぶことを目的としているものもありますが、ほとんどは遊びながら英語や他国の文化に触れられる楽しいものです。
英語の授業やレッスンの短い時間ではなく、数日英語漬けになる機会はなかなかありません。今年の夏休みは国際感覚を養いながら英語の能力を伸ばせる、イングリッシュキャンプに参加してみるのはいかがでしょうか。
