「TOEICは990点満点の試験だけど1問何点なの?」「何問間違えたら何点になるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、TOEICの配点の仕組みについて詳しく解説します。実はTOEICの配点に関しては、勘違いをしている方が多いのが事実。
記事を最後までチェックして、TOEICの配点に関する理解を深めましょう。
TOEICの配点は公開されていない
一般的に試験では、配点が公開されています。しかしTOEICでは配点が公開されていません。つまりTOEIC問題を解いてから、実際にスコアが出るまでの2週間近く、正しいスコアを知る方法はありません。
また実践問題演習を解いた際も、正しい配点に基づいて採点をすることはできません。またTOEICには過去問がないので、そもそも実践問題演習で「過去のTOEICで何点だったか」を知ることは不可能です。
TOEICの過去問については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:「TOEICに過去問はない」は半分嘘!探し方とおすすめ問題集を紹介
TOEICでは問題用紙の持ち出しは不可
試験では、試験終了後に問題用紙を持ち出せることが一般的です。例えば大学入試では、試験終了後に問題用紙を持ち出すことができ、それをもとに回答速報が作られますよね。
資格試験でも同じです。問題用紙をもとに、回答速報や過去問が作られます。しかしTOEICでは問題用紙の持ち出しが禁止されています。つまり誰も過去問を知ることはできません。
TOEICスコアが分かった後も、問題用紙は帰ってこないので「どこが正解していて1問何点だったからこのスコアが取れている」ということが分かりません。
TOEICの配点に関して分かっていること
TOEICの配点は公開されていませんが、それでのTOEICの配点について、分かっていることがあります。
TOEICの配点に関して分かっていることは以下の3つです。
- 何問ミスで何点、1問5点のような算出方法ではない
- スコアに差が出にくいような工夫が施されている
- 「満点=全問正解」ではない
何問ミスで何点、1問5点のような算出方法ではない
TOEICはリスニング100問、リーディング100問の合計200問の試験です。満点は990点満点です。
200問の試験で990点満点だと「1問5点で採点すればうまくいくのでは?」と考える方がいます。実際に実践問題演習を解く際は、1問5点で採点をする方も多いです。
しかしそもそも1問5点だと、全問正解で1000点になってしまい、おかしいですよね。
TOEICでは、1問何点のような採点方式ではなく、1問ごとに配点が異なることが分かっています。また配点は予め決まっているわけではありません。TOEICが終わり、採点をして、受験者全体の正答率などをある仕組みに基づいて判断して、1問何点かが決められているそうです。
その仕組みに関しては、詳しいことは分かっていません。つまり1問5点以上の問題もあれば、1問5点以下の問題もあるということになります。
スコアに差が出にくいような工夫が施されている
TOEICは、就職活動や入試など、幅広く活用できる英語資格です。就職活動や入試では「TOEICをいつ受けたか」は関係ありません。「スコアは何点なのか?」だけに着目されます。
もしTOEICの平均点にばらつきがあった場合、TOEICの難易度が低い時に受験した方が得をして、難易度が高い時に受験した方が損をしてしまいます。同じ600点を取れる実力がある方でも、一方は500点しか取れないかもしれませんし、一方は700点を取れてしまうかもしれません。
これだとTOEICは運次第ということになり、就職活動や入試などで役に立たなくなってしまいます。
TOEICは、毎回の試験で難易度の差が出ないように調整されています。平均点は600点前後になるように作られていますし、配点にも、スコアに差が出ないような工夫が施されていると言われています。
「満点=全問正解」ではない
通常の試験の場合、満点を取るには全問正解するしかありません。しかしTOEICの場合は異なります。
TOEICでは、満点を取ったからといって全問正解とは限りません。「全問正解しても満点は取れないのか?」と言われるとそうでもありません。その逆で全問正解をすることができなくても、満点を取ることができると言われています。
TOEICでは実際に問題用紙や解答用紙が返却されるわけではないので、実際に全問正解できたかどうかを確認する方法はありません。しかしそれでも、「満点=全問正解」ではないという説が最も有力です。
TOEIC満点を目指している方で、全問正解できていないことが分かった場合でも、心配する必要はありません。数問間違えているくらいなら、まだ満点を取得できる可能性が残されています。
TOEICには点数を取りやすい月がある?
TOEICは年に10回ほど開催されています。TOEICは前述の通り、実施回によって難易度に差が出ないように気をつけて問題が作成されています。よって、どの月に受けても、基本的にはTOEICの難易度は変わらないはずです。
しかし、TOEIC受験者の間では「TOEICには点数を取りやすい月がある」と言われています。実際にTOEICの年間を通しての平均点を確認してみると、どの年でもほとんど、10月が最も平均点が高くなっていることが分かりました。一方、3月は最も平均点が低くなっています。
しかしこれは、3月のTOEICは難しく、10月のTOEICが簡単ということではありません。もしそうだとすれば、みんな3月は避けて10月にTOEICを受験しますよね。
実はこれは、問題の難易度に違いがあるということではなく、受験者層に違いがあることが原因です。3月は年度の変わり目です。就職活動など様々な理由から、準備が整っておらず、多少無理をしてでもTOEICを受験する方が多いです。よって平均点が低く出てしまっています。
一方10月は就活などで焦っている人も少なく、夏休み明けであることから、万全な準備ができている人たちがTOEICを受験します。よって平均点は高くなります。
つまりTOEICには点数を取りやすい月があるというのは間違いです。いつ受けるにしても、万全な準備をして試験に臨むことが大切です。
TOEICのスコア換算表
TOEICでは配点が明らかになっていません。しかし実践問題を解く際に、配点が分からずスコアを出せないままだと不便ですよね。
苦手なパートと得意なパートを区別したいのであれば、各パートの正答率さえ出せれば十分です。配点が分かっている必要はありません。しかしTOEIC600点を目指している方が「自分は今何点あたりにいるのか」を知るためには、配点は重要です。
TOEICの配点は公開されていませんが、TOEICの公式問題集には、スコア換算表が実装されています。スコア換算表を使えば、簡易的にですがTOEICスコアを算出することができます。
以下、TOEIC公式問題集に掲載されているスコア換算表を載せておきます。TOEICを採点する際の参考にしてみてください。
TOEICリスニングスコア換算表
正解数 | スコア | 正解数 | スコア |
100 | 495 | 50 | 245 |
95 | 485 | 45 | 215 |
90 | 460 | 40 | 190 |
85 | 425 | 35 | 170 |
80 | 405 | 30 | 155 |
75 | 380 | 25 | 145 |
70 | 365 | 20 | 130 |
65 | 350 | 15 | 110 |
60 | 315 | 10 | 95 |
55 | 285 | 5 | 35 |
TOEICリーディングスコア換算表
正解数 | スコア | 正解数 | スコア |
100 | 495 | 50 | 180 |
95 | 455 | 45 | 170 |
90 | 410 | 40 | 150 |
85 | 395 | 35 | 125 |
80 | 380 | 30 | 115 |
75 | 355 | 25 | 100 |
70 | 320 | 20 | 85 |
65 | 280 | 15 | 75 |
60 | 245 | 10 | 60 |
55 | 210 | 5 | 30 |
TOEICの公式問題集については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:TOEIC公式問題集の効果的な使い方を徹底解説【今日から実践可能】
TOEICでは難しい問題に悩むよりも解ける問題を確実に解くべき
ここまでTOEICの配点について解説してきました。TOEICの配点について知りたい方は、なんとかしてTOEICスコアを上げたいとも考えているはずです。配点が分かったところで、問題に正解できなければ良いスコアは取れません。
TOEICの配点は分かりませんが、少しでもTOEICスコアを上げる方法はあります。それは難しい問題よりも解ける問題を確実に解くことです。
TOEICでは全問正解=満点ではないと解説しました。つまり難しい問題を間違っても、減点の対象にはならず、スコアには影響が出ない可能性もあります。
もしそうだとすれば解けるかも分からない問題に時間を費やすのは無駄です。本来解けるはずの問題を解く時間も圧迫してしまいます。
それよりは、確実に解ける問題を解いて、スコアを積み重ねていくべきです。
TOEICのスコアを上げるための勉強方法
TOEICのスコアを上げるための勉強方法として、以下の3つが挙げられます。
- 単語や文法の基礎学習
- パート別対策
- 実践問題演習
上のものから順番に、優先して取り組むべき勉強方法です。それぞれ具体的に解説していきます。
単語や文法の基礎学習
まずは単語や文法などの基礎学習から始めましょう。TOEIC600点くらいまでは、基礎的な単語や文法さえ理解できていればなんとかなります。
TOEICで必要な基礎知識は、中学・高校レベルの単語と文法と、TOEIC頻出の単語です。中学・高校レベルの単語と文法に関しては、すでにある程度覚えられているはずです。
単語が分かれば、TOEICの問題の大まかな意味は理解できるようになります。大まかな意味さえ理解できてしまえば、マークシートの選択肢をいくつか絞り込むことができます。また文法知識があれば、より詳細に問題の意味を理解できるようになり、正解に近づきます。
まずは単語や文法の学習から始めましょう。
関連記事:TOEIC初心者におすすめの単語帳5選と選び方を解説
パート別対策
単語や文法の基礎学習の後は、パート別対策です。TOEICはリスニングがパート1〜4、リーディングがパート5〜7の全7パートの試験です。各パート問題形式が大きく異なるので、必要な対策も違ってきます。
TOEICでは、あるパートで高得点を取得できても、他のパートで高得点を取得できなければ、良いスコアは取れません。どのパートも満遍なく解けるようにしておくことが大切です。
まずは自分がどのパートが得意なのか、苦手なのかを判断して、苦手なパートに絞って対策をしましょう。苦手なパートの対策ができる参考書を1冊購入してもいいかもしれません。
実践問題演習
基礎学習とパート別対策が終わったら、最後は実践問題演習です。実践問題演習では、TOEIC本番と同じ120分間で、200問の問題を解きます。
実践問題集にはマークシートがついています。何度も使えるようにマークシートはコピーして使うといいでしょう。リスニング音声をスピーカーから流してみたり、本番と同じ時間配分で解いたり、できるだけ本番と同じような試験環境を再現してください。
実践問題演習を解いたら、間違えた問題を復習しましょう。解きっぱなしにして次の問題に進みたくなる気持ちも分かりますが、一度立ち止まって復習をすべきです。そうすることで、次同じ問題が出題された時も間違えずに済むようになります。
実践問題演習を解く中で、明らかに正答率が低いパートがあった場合は、パート別対策に戻って苦手パートを克服してから再び実践問題演習に戻ってもいいかもしれません。
まとめ
TOEICの配点について解説しました。TOEICの配点の仕組みは完全には明らかになっていません。しかしTOEICの配点について分かっていることもあるので、分かっていることを参考にしつつ、TOEIC対策を行っていきましょう。
またTOEICでは、難しい問題を時間をかけて解こうとするのではなく、簡単な問題を確実に解くべきです。
記事最後で紹介したTOEICの勉強方法を元に、早速今日からTOEIC対策を初めてみましょう。